幼なじみの彼と彼について (ページ27)

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彼と私ページ27

天元と先輩……帰ったかな…
出来れば二人で歩いている姿をみたくない。

先輩にあんな事言ったくせに。
時間を潰し
１人帰り道を歩く。

「私……何やってるんだろ」

なんだか……情けない。

私だって……
自分の気持ちに正直になりたい
好きな人と毎日何でもないことを話したり
好きな人と一緒に帰りたい

幼馴染みを好きになってしまったばかりに
こんな辛い思いするなんて。

天元が好き。
でも叶わない恋にしがみついて
辛い思いばかりするなら
だったら……
いっそ忘れてしまいたい。

とぼとぼと、帰り道を歩く。
家に帰ればさゆりがいる。
私の顔を見ればまた何か言ってくる。

正直、今は…会いたくない。

気がつくとまた公園へ来てしまった。
実弥は……練習してるかな…？
暗がりで彼の姿を探す

何を期待してる？

なんだか私、ずるくない？

実弥でさみしさ紛らわせようとしてない？

頭の中でグルグル回る

これが恋じゃないって分かってる
でも……実弥に逢いたい……
私を分かってくれる人と触れあいたい。

きっともう心が限界なんだと思った。

奥のグランドへ行くと
練習を終えた実弥がいた。

「A？」
私に気がつくとこちらへ向かって走ってきた。

黙って立っている私を
じっと見つめる実弥

「どうしたァ？」
優しく私に接してくれる実弥。

実弥の優しさに甘えたい

「辛くて…さみしくて…
もうどうしていいのか、わかんないの。
もう……限界なんだ…
でも、我儘だよね…ごめんね、こんな事言って」

俯く私に実弥が言う。

「もう、我慢すんな……お前は、昔から
自分より人の事ばかり考えてんだろ？」

実弥…？顔を見ると優しく見つめる実弥がいた。

「お前があいつを好きなのは知ってる。」

「うまく言えねぇけど…」

「それごと受け入れてやるから……」

「え……？」

今なんて言ったの？

ドクンドクン……
あり得ないほど心臓の鼓動が速くなる

実弥は深呼吸して私に言った

「俺にしとけよ」