幼なじみの彼と彼について (ページ11)

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思春期ページ11

学校の帰り道

１人で帰っていると

天元を見かける。

最近あまり顔を合わせてなかったから
嬉しい。
近くまで駆け寄り声をかけようとした時

「天元？待った？」
反対側から綺麗な女の子が話しかけてる。
「よ！俺も今来たとこ。行くか？」
「うん」
二人は私のいる方に歩いてきた。
それを見た瞬間、私はサッと物陰に隠れる。

あの人は天元の彼女なのかな……

当たり前だよね。
だって天元かっこいいもん。
彼女がいない方がおかしい。

私は何処まで行っても妹以上にはなれないんだ。
そんなこと分かってた。
元々妹でもいいって思ってたじゃない？
何を今更望んでるんだろ。

いつかこういう日がくることは分かっていた。
分かりきっていた事。
でも、実際に見てしまうのは……

「けっこう……くるなぁ……」

経験したことのない胸の痛み

それと同時にポタポタと落ちる涙

私は自分の思っている以上に

こんなにも天元が好きだったんだ

その後、何処をどう歩いたか覚えてないけど、
なんとか家の近くまで帰ってきた。

家の入口近くまで行くと反対側から
誰かが歩いてきた。

その人は
私の顔を見て驚く。
泣き腫らした顔を見られてしまった。
誰にも見られたくなかったのに。

「おぃ…どうしたんだ？」
声をかけ私に近づいてきた

「こないで！お願いだから…」
顔を隠して家に入ろうとすると、

ガシッと腕を掴まれる。

「そんな顔見たらほっとけないだろ？」

実弥だった。
すごく心配そうな顔をして私を見つめてくる。
いつも素っ気ない実弥が何故？
どうしてそんな顔……

こんなところを
さゆりに見られたら……

「離して！」

実弥の手を振り払い
「なんでもないから」
と言い、家に駆け込んだ。