幼なじみの彼と彼について (ページ45)

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夏祭りページ45

頭上で花火が上がる

その光に照らされた実弥の髪がなんとも綺麗で
見惚れてしまう。

男の子に対してこんな言葉を使って良いのだろうか……
美しいと思った。

実弥の少し潤んだ瞳に引き込まれそうになる

「A？ごめん、宇髄の事は言うべきじゃなかったか」

！！

実弥の声にハッとし、
現実に引き戻される。
「……ううん？違うよ？」

どういう事だ？と私の顔を見つめる実弥。
「実弥の髪がすごく綺麗で…見惚れちゃった」
舌をペロッと出し、照れた。

私を見つめる実弥が目を見開き固まった

「おぃ、そういう顔すんな……やべぇ…」

手で口を覆い、目を逸らす実弥。

ん？何がやばいんだろ？

「実弥？」

実弥の手に手を重ねる

「ずっと…こうしていたいな…ってね？」
にっこりしながら実弥の顔を覗きこむと

フルフルと肩を震わせる実弥。
「だめだ。帰ろうか」
急に立ち上がり、歩きだす実弥。

「どうしたの？？」
びっくりして実弥の後を追う。

「花火ももうすぐ終わるからそろそろ戻ろうぜ」

急に帰ろうとする実弥。
「うん…分かった。」

長い石階段を降り、
お祭りのメイン通りに戻る。

そこから実弥は手を繋いでくれなかった。
どうしたのかな…？

☆☆☆☆
実弥視点

Aに好きだとちゃんと伝えた。

俺を見つめる目、艶やかな唇
こいつ……こんなに色っぽかったか？

くそ……めちゃくちゃかわいいじゃねぇか

おまけに俺に見惚れたとか言いながら
俺の顔を覗きこみ、
ペロッと舌を出してきた。

う……

その顔に死にそうになる俺。

やべぇ……
Aを抱き締めて
キスしたい衝動にかられる。

ダメだダメだ！

そんな事したら
こいつが嫌がるに決まっている！

我慢だ……

そんな俺の気も知らず、
手を重ねてくるA

あー！だめだぁ！！

気がつくと、立ち上がり帰ろうと
Aに言っていた。

Aは急なことに驚いていたが、
ニコニコしながら後ろをついてくる。

帰り道は、手を繋ぐ勇気がない……
はぐれないよう気を付けながら歩いた

男の気持ち、分かってくれ？