幼なじみの彼と彼について (ページ41)

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夏祭りページ41

どんどん人が増える

同中の子もいっぱいいるなぁ
人混みを二人で歩いていると
実弥に憧れてる女の子が何人かいるグループがいた…
チラチラこっちを見ながら、話してるのが聞こえる。

「あれ？実弥くんがいる」

「え？誰といるの？グループなら声かける？」

「あ…女の子連れてる…うそ？あれ花泉さんじゃない？」

「なんであの子が一緒にいるの？」

「幼馴染みってだけでさー、調子に乗ってない？」

「ショックー、あんな子なら、私らでもいけるんじゃない？」

一人は何故か泣いてる。
その子を励ます友だち。
なんの友情？
悔しさを分かち合い、
全員で私を攻撃してくるパターンになりそう
はぁ……休み明けの学校が……
めんどくさくなりそうだなぁ

せっかくの楽しいお祭りが…

俯いていると
出店をみていた実弥が落ち込む私に気がつく。
「A？どうした？」

「ん？あ…なんでもないよ？あっちいってみる？」
上手く誤魔化せたかな…？

実弥は私の表情を見て言った。

「せっかくのお祭りなんだからよ？
二人で楽しもうぜ。」
笑顔を私に向けた。

そして……
「A…手ぇ」
と言いながら、手を出してきた。

へ？手？

手を……繋ぐ…の？

「え……？実弥？」

「はぐれるといけねぇからな？」

ドキドキ……
恥ずかしさと嬉しさが入り交じる。

差し出された実弥の手に
私の手をそっと重ねると

彼がきゅうっと握ってきた。
それは少し骨ばっていて
幼い頃繋いだ手とは感触が違った。

心臓がバクバクするのを必死に隠しながら
きゅっと離れないよう手を握り返した。

その様子を見ていた同級生
後ろからキャーキャーと
女の子の悲鳴が聞こえる。

「やだー！離れて！」

さすがに実弥も聞こえたようだ
「っせぇなぁ……」
小さく呟く実弥。

どうしよう……
「実弥……離れようか？」

「何言ってんだ？」

「お前は、俺の彼女だろ？」