幼なじみの彼と彼について (ページ16)

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学校へ行けば

すれ違う人や、クラスの子にチラチラ見られる。

まゆも驚いてどうしたのか聞いてくる。

「何でもない」

「いやいや…Aチャン…
何でもないわけないでしょ」
ものすごい疑いの目。

見ないで……お願い。

「今は話したくない。気持ちが落ち着いたら
まゆにはちゃんと話すから。
今はそっとしといて？ごめん」

「そっか…分かったよ、
無理に聞いてごめんね？」

まゆ、ありがとね？
二人で、別の話をしていると

さゆりが遅れて教室に入ってきた。
ツカツカと一直線にこっちへ来ると

「ねぇA。天元となんかあった？」

でた

空気読めない姉。

「実弥と、天元があんたの事で
言い合いしてたんだよね」

え……？

「うそ……」

「あんた……何したの？」

すごい剣幕で言い寄るさゆりに
まゆが止めにはいった。

「ちょっと…いい加減にしなよ？Aの
今の状態見てわからないの？あんた、Aの
お姉ちゃんでしょ？」

「まゆ…大丈夫だよ。私がいけないんだよ…
ごめん、さゆり」

「昨日言ったじゃん？実弥に近づくなって。
あんたと関わると、ろくなことないわ」

「ちょっと…いくらなんでも言い過ぎでしょ？」
さゆりに言い返すまゆ。

「何？あんたには関係ないでしょ？」

「は？あのさ…前から思ってたけど、あんたってさ……」

キーンコーンカーンコーン

喧嘩になりそうなところで
チャイムが鳴り休戦となった。

私が居なくなってから
一体何があったんだろう。
どうして実弥が……？
さゆりの怒りがおさまる感じがしない。

どうしてこんな事になっちゃったんだろ…

私は……少しだけ、自分の気持ちに正直に
生きたかっただけなんだ。
それを教えてくれたのは、まゆ。
少しずつ、自分を出せるようになったけど、

でも、私が感情を出したばかりに
どんどん歯車が狂っていく。

こんなことなら……
私が我慢すればいい。

私が……貝になればいいんだ。

元の自分に戻ればいい。

大丈夫。うまくやれる。

私の気持ちに蓋をすれば、元通りになると

本気で思っていた。