情緒不安定 ページ10
*
「……やっぱいい。」
「え……?どうして?ママに話せないの?怒らないからちゃんと話して?」
拓弥は暫く考え込んでいたが決心したようにこくりと頷くと、続きを話してくれた。
「うん……。あのね?みんながいないときに、ぼくにチュッてするの。」
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「は……」
な、なんですと!?
抱っこくらいならよくある事だ。
しかし…『チュッ』って……度を超している。
直ぐ様拓弥の両肩を掴んで聞き返した。
「ママの聞き間違いではないよね?チュッて……どこにするの?」
「んと……んと……ほっぺとか……」
とか?ほかにも?
その後恐くて聞けず……。
これは…実弥が帰ってから相談しなければ!!
.
その後実弥が帰宅したのは夜中。
軽い夜食を出しながら話した。
「ね、今日拓がね……」
「はァ!?マジかよ……あいつ……」
ん?あいつ?先生を知ってる素振りではないか。
「ねえ、先生の事知ってるの?」
「あ、いや…Aが入院してからずっと送迎してただろ?だから顔知ってるだけだァ。」
そう説明する実弥だが……。
そんな軽い感じではないと感じる。
実弥、もしかして何か隠してる??
「ねえ、何か隠してるでしょ?」
「何も隠してねェよ。」
「いや?隠してる!!まさか……私が入院してる間に先生と浮気?」
「はァァア!?あいつなんかと浮気するわけねェだろォが!」
「あいつなんかって…なんか親密に聞こえる!!何かやだ!!」
本気で涙が出てきた。
そういや、最近イライラしたり、泣きそうになったり情緒不安定だ。産後だから?はああ……なんだかよく分からないけど…感情のコントロールが上手くいかない。
「お、おィ、泣くなァ。今は拓弥の話をしてンだろ?」
「実弥は女に優しすぎるの!!だからぁ…………んん!」
気がつけば実弥の手が頭の後ろに回り引き寄せられると、唇が重なってた。誤魔化すつもりか!?と、初めは抵抗していたが、実弥の長く優しいキスについ私も背中に手を回して応えていた。
暫く堪能したのち…
「俺がこうしたいのはAだけだァ」
「な、なんだか誤魔化された気がするけど?」
「誤魔化してなんざァねェよ。幼稚園の事は俺が明日園長先生に話すか。ちょうど非番だしな。それにこういう事は、当事者ではなく上司に伝えた方がいいだろ。」
「うん…そうだね。あまり刺激しない方がいいのかも。」
こうして次の日二人で園に行く事になった。
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柚葉(プロフ) - 食べられたい💓 (8月18日 6時) (レス) @page31 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - あんころ餅さん» あんころ餅様、はじめまして!嬉しい感想ありがとうございます。すごく励みになります。更新…お待たせして申し訳ありません。あと少しお待ち下さいませ(^-^) (7月2日 18時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
あんころ餅(プロフ) - 2日ほど前にこの作品を見つけてシリーズ6まで一気読みをしてしまいました途中涙が出るぐらい感動したり。鬼滅はまだ無限列車までしか見てないのですがすごく特徴を捉えられていて鬼滅本編を途中までしか見てない私でもとても分かりやすかったです。更新楽しみにしてます (7月1日 20時) (レス) id: 235e675cd4 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - えのきちゃん、更新待ってたよ!これからの展開が楽しみすぎて辛い…(^-^)お互い無理の無いペースで更新頑張ろうね! (5月17日 10時) (レス) id: 9b48e88303 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 宇髄さんが味方だと心強いです。問題が解決して欲しいです。 (5月16日 17時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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