風の奥様は大学生2

情緒不安定 ページ13

処置室で、点滴が終わるのを二人で待っていると
先生が入ってきた。

医「不死川さん？落ちついたかな？」

『あ…先生、ありがとうございました』

医「この時期は、身体の変化、ホルモンバランスやストレス、様々な要因で不安定になりやすいから、ゆったりと過ごしてほしいですね。ましてやあなたは、初産でしょ？不安に思うことは、誰かに必ず相談してね？」

『はい……』

医「ご主人…マタニティブルーと聞いたことありませんか？奥さんは、どんどん変化していく身体、出産、その先の子育てに不安を感じていると思います。そして…奥さんは、少々無理をするようですね？理解して、しっかりとサポートをお願いします。」

「はい…お世話になりました」

ーーーー

病院の帰り

『実弥？ひとつ聞いていい？』
「あぁ…」
『私と……結婚して良かった？』

しばらくの沈黙……

「ったく……何を聞くかと思えば……」
「当たり前だろ？お前しかみてねぇよ」

『……そっか。』私は俯く。

「おぃ……お前…その…後悔してんのか？」

『昨日は……実弥が出ていってしまった後……
とうとう実弥に嫌われたぁーーって思ったの。
私と結婚して後悔してるかな？って思った。だから…実弥が望むなら…別れることも考えた』

ハッとした表情で私の顔を見る実弥。
「そんなこと……望むわけねぇよ…」

『私は…これからも我儘ばかりいうよ？』
「お前の我儘なんてかわいいもんだろ」

『ヤキモチばかりするよ？』
「そんなのは……オレだって一緒だ」

『束縛だって……』
「してくれていい」

「だから…ずっと…オレのそばにいろ」
私を抱き寄せた。

『実弥、ありがとう……これからもよろしくね？』

「ったりめぇだぁ…そろそろ帰るぞ」

『うん帰ろう』

手を繋ぎ、ゆっくりと歩き出した。

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