風の奥様は大学生2

情緒不安定 ページ12

あれから実弥は帰ってこなかった





どうして実弥を信じなかったんだろう

実弥は歩み寄ろうとしてくれてたのに



バカな私。

『実弥……会いたいよ……』

実弥に心から謝りたい

『ごめんなさい……』




どれくらい時間が経ったのか……

何をする気にもなれず

ただただ実弥の帰りを待った






辺りがすっかり暗くなったころ

ガチャ

玄関から音が……

リビングのドアが開くと

実弥？帰ってきてくれた……良かった…

ぷつんと緊張の糸が切れた気がする

愛しい人……

『あ……さねっ……』

立ち上がろうとした瞬間

あれ？クラクラす……る…







A！

おい？A？しっかりしろ！


ーーーー


気がつくと

病院だった

私の手を握る人がいる。

大好きな大好きな温かい手

安心するの



心配そうに見つめる実弥

『あ……ベビちゃん……』

「大丈夫だ…心配ないから」

『良かっ…た…この子に何かあったら…』

実弥の手が少し震えてる……

『実弥……ごめんなさい……』

「オレのほうこそ……悪かった…」

『どうしようもなく不安になっちゃうの。もう、どうしていいのか分からないの…
実弥が悪いんじゃない。私……』

「不安にさせて悪かった…」

「さっき…看護師さんに叱られた」

『……え？』

「初産で、不安になってるから、旦那さんの理解、サポートが絶対だって。新米パパだからな、オレ。Aを支えてるつもりだったが、どうして不安定になっているのか理解してなかった。
なにもかもが初めての経験で、不安になるのは当たり前だよな…。オレがしっかりしないと…。
お前の異変に気がついてなくて……。男は…だめだなぁ……はは。」

涙が頬をつたう

「一緒に……乗り越えよう」

『実弥……』


ごめんね……



そして



ありがとう

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