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『実弥、また告られてたわぁ』
高校生ともなるとよくあることなんだと思う。
最近、実弥は学校でモテモテらしい。
アイツ、あんな可愛い子から告られてんだぜ?
羨ましい!と、兄から色々を聞かされ内心焦る気持ちと、そんな自分を認めたくない気持ち。
だから天の邪鬼になってしまう。
「へぇ。実弥やるじゃん!」
その頃の私は、興味ないフリをして
ざわつく心を押さえつけていたと思う。
「この間学年1の美女に告られてたわ!どーしてあいつばっか!!」
兄から聞く度に心が折れそうになる
「へ、ヘぇ、そーなんだ。へぇ…」
返事はどうしたんだろう。
まさか…OKしちゃったのかなぁ…と、そればかり頭ん中回って夜寝れなかった。
そして…
夏祭りに本命の女の子を誘うと話していた実弥。
あの時は本当にショックだった。
実弥に好きな人がいたんだと。
実弥の想っている人がどんな女の子か聞いて
敵わない
そう思った。
その時、薄々気づいていた自分の気持ちがハッキリしたんだよね。
私は、ただの幼馴染みの兄貴ではなく
実弥を好きなんだって。
でもそれを完全に認めてしまったら、今みたいに
甘えることも、その背中に触れることも出来なくなるのが怖くて。
必死に平静を装ったものだ。
後日、突然夏祭りに誘われた。
正直……戸惑った。
好きな女の子に告ってフラれたの?
それとも私のこと…
でも、怖くて聞けなかった。
だから、「本命にフラれたの?」と、
ごまかした。
一緒に行った夏祭りは…
実弥が近くにいるのに
遠く感じる夜だった。
**
そして、実弥は警察官になるために
警察学校へと入り、その後、寮生活を始めた。
それまで当たり前のように顔を合わせ、毎日一緒に過ごしていたのに、急に居なくなった兄貴。
心にぽっかり穴が空いた。
なんか……淋しい。
「Aは、実ちゃんにベッタリだったからね?」
お母さんは、兄貴ロスになっている私に言った。
「んー、なんだろなぁ?私もそろそろ兄貴から卒業しないとねー。」
「あらぁ、もしかして彼氏でも作る気になったの?」
だって…
どこまで行っても実弥は私の事……
絶対妹にしか思ってないもん。
どうせ叶わないんだから……
「最近バイト先に、カッコいい人入ってきたんだよねぇ」
へへ……っと笑ってみせた。
「そう。じゃ、付き合う事になったら連れていらっしゃい!お母さんが品定めしてあげる!」
お母さん!コラ!
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えのき(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉ちゃんありがとう(*^^*)遅くなり申し訳ない!やっと終わりました(笑) (2022年3月3日 7時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 完結おめでとう!!えのきちゃんのペースで、また新作待ってるでぇ〜🤗 (2022年3月2日 17時) (レス) @page20 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - ユイぱさん» ユイぱさん。コメントありがとうございます!あと少しお付き合い宜しくお願いします(*^^*) (2021年11月29日 23時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
ユイぱ(プロフ) - すごく面白いです!何より2人の反応が……笑話の更新が待ち遠しいです! (2021年11月29日 15時) (レス) id: 21c5274ef7 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - あさひゆうひさん» あさひさま。コメントありがとうございます。下の読者様とほぼ同じメッセの内容(書き方)に、えのきは1人で爆笑しておりました。流石です!昨日ログイン出来ず、何故か数話消えてしまい(笑)明日完結出来ないかもと焦っております。…頑張ります(笑) (2021年11月28日 17時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
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