出来ちゃった！？の前に ページ20
＊
今思えば……
昔から実弥を追い求めていたのだと思う。
小さな頃から当たり前のようにいつも隣にいた兄貴に甘えるのが大好きだった。
実弥に女の子が近づくと、心がざわついた。
でもその頃はまだまだ心が幼くて、それが実弥に対する"恋"だとは、気づかなかった。
兄貴を取られる妹のヤキモチ。
そう思っていたんだよね。
小学生の頃なんて、うちの兄貴と一緒に3人で暗くなるまで外で遊んで。
あ、そうだ、捨て犬を見つけた時は、親に隠れてこっそり育てようとしたりして。
家から食べ物持ち出してそれがバレて実弥と一緒に首根っこ掴まれて、一緒に正座させられて叱られたっけ。ワンコと離れるのがいやで泣きじゃくる私を思って実弥が一生懸命お母さん達を説得して。結局、うちと、実弥んちで一緒に飼うことになった。
ほんと毎日お互いの家を行ったりきたりしてた。
その関係は、中学になっても変わらずだった。
ある日、実弥兄貴とこのおばさんが家に遊びに来ていた時のこと。話の流れで、実弥と私がすごく仲良いことで、お母さんから言われてしまう。
「あんたって本当に実ちゃん大好きね。いっそ、お嫁に行ったら？」
「Aちゃんなら大歓迎！相手がいなかったら実弥のお嫁さんになってよ」
この母たちは、思春期の娘になんてことを言うんだ！！
「はぁぁああ？どーして私が実弥のお嫁さんになんの？」
実弥のお嫁さん……口に出しただけで顔が熱い！！！
「あら、わっかりやすい娘だこと！」
「っちがうから！！」
そんな言いあいをしている時だ。
「何が違うんだァ？」
いきなり後ろに現れた実弥。
「うわぁぁ！！さ、実弥！？」
騒ぐ私を見て一言
「お前さァ、『きゃぁ！』とか、『ひゃあ！』とか可愛く言えねぇの？」
「ふ、ふーん……悪かったわねぇ。どーせ可愛くないですよーだ！…………ねぇ？今お母さん達と話してた事……聞こえた？」
テーブルにあるおやつをつまもうとしている実弥に聞いてみると
「は？知らね。つーか、うまっ！これ！」
実弥が色気より食い気で良かった！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えのき(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉ちゃんありがとう(*^^*)遅くなり申し訳ない！やっと終わりました(笑) (2022年3月3日 7時) (
レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 完結おめでとう！！えのきちゃんのペースで、また新作待ってるでぇ〜🤗 (2022年3月2日 17時) (レス) @page20 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - ユイぱさん» ユイぱさん。コメントありがとうございます！あと少しお付き合い宜しくお願いします(*^^*) (2021年11月29日 23時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
ユイぱ(プロフ) - すごく面白いです！何より2人の反応が……笑話の更新が待ち遠しいです！ (2021年11月29日 15時) (レス) id: 21c5274ef7 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - あさひゆうひさん» あさひさま。コメントありがとうございます。下の読者様とほぼ同じメッセの内容(書き方)に、えのきは１人で爆笑しておりました。流石です！昨日ログイン出来ず、何故か数話消えてしまい(笑)明日完結出来ないかもと焦っております。…頑張ります(笑) (2021年11月28日 17時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
