おはぎ11(暁夢主) ページ11
***
手を繋がれると、恥ずかしすぎて
つい、言ってしまう。
「待ってください!外で殿方と手を繋ぐなど!
いけません!!」
「は?何を今更……それより、お前に見せたいモンがあンだよ。」
そう言い、グイッと引っ張る実弥。
人の波にのまれないよう、私や子供たちを庇いながら
連れられた先は……
「綺麗……」
「だろ?お前に見せたかった。」
目の前の道の両側の木がまるで…夜空の星のようで。
美しく光る木々に見惚れる私を満足げに見つめる実弥。
「……これを私に?」
「イルミネーション、今日からなんだ。俺の誕生日に、どうしてもお前と見たかったァ」
「私の為に……。すごく…嬉しいです。実弥の誕生日なのに。本当は、私がおもてなししなければいけないのに。あなたは、どうしてそんなに優しいの?」
私が聞くと、実弥は優しい眼差しを向けて言った。
「大正時代は…こんな事なかったもンなァ?」
「大正……知ってるの?私が…」
この世界の人間ではないことを。
「お前あれで、隠してたつもりか?あんな挙動不審なA見てたらなァ。変だろ?それに…俺は、昔のお前をよく知ってるからなァ。クックッ…どうやって、この時代に来たンか知らねェが、昔も今も……俺は、お前しかいらねェ。」
「私は…この時代で、あなたと出逢い、可愛い子供まで……。幸せなのですね。」
「ったりめェだァ。今世も死ぬまで一緒だかンなァ?」
こんな幸せを……ありがとうございます。
いつも…素直に言えない想いを今なら言える。
夜空を見上げながら伝えた。
「実弥?月が…綺麗ですね?」
「……A?」
「私は、ずっとあなたをお慕い申しております」
気持ちを伝えると……
「おィ、A!!その手……」
指の先が…透けてる?
あぁ、そろそろこの幸せな時もおしまいか。
「……もしかしたら…戻る時間かもしれませんね?
」
「あなたのお誕生日に幸せな顔を見ることが出来て私は幸せでした」
「ママぁ?おかおが…」
実弥に抱かれている拓弥くんが驚く。
ああ……身体がどんどん……
透けていく……
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えのき(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉ちゃんありがとう(*^^*)遅くなり申し訳ない!やっと終わりました(笑) (2022年3月3日 7時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 完結おめでとう!!えのきちゃんのペースで、また新作待ってるでぇ〜🤗 (2022年3月2日 17時) (レス) @page20 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - ユイぱさん» ユイぱさん。コメントありがとうございます!あと少しお付き合い宜しくお願いします(*^^*) (2021年11月29日 23時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
ユイぱ(プロフ) - すごく面白いです!何より2人の反応が……笑話の更新が待ち遠しいです! (2021年11月29日 15時) (レス) id: 21c5274ef7 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - あさひゆうひさん» あさひさま。コメントありがとうございます。下の読者様とほぼ同じメッセの内容(書き方)に、えのきは1人で爆笑しておりました。流石です!昨日ログイン出来ず、何故か数話消えてしまい(笑)明日完結出来ないかもと焦っております。…頑張ります(笑) (2021年11月28日 17時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
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