作戦 ページ10
*
「アァ、間違いねェ。鬼がいる」
実弥の言葉に身体中から汗が出る。
"あの時"の記憶が甦り、ドクンドクンと
心臓が煽り始めた。
肩で息をする私。
なんかクラクラする…
実弥は私の様子に気付き直ぐ支えてくれた。
「…無理すンじゃねェ。…思い出したんだろ?」
心配そうに私を見つめる実弥。
しかし、よろけながらも実弥の腕をやんわり離し
椙崎さんに訴える。
「いいえ、大丈夫です。和子さんや、消えた女給さんの為に、私、協力しますから。宇髄様、先日のお話、お受けます。私、囮でも何でもします。椙崎さん?鬼狩り様…鬼殺隊の柱である宇髄様達についていていただけるなら安全ですから。」
真剣に訴える私を見て、椙崎さんは反対しなかった。
「Aちゃん…」
「よし。暫くこの店に毎日通わせてもらうぜ?その間…俺らの相手よろしくな?」
ニカっと笑う宇随様。
「おい、宇髄……、コイツに何ンかあったらどうすンだよ」
実弥が宇髄様に訴えると
「せっかく協力してくれると言ってんだぜ?俺らが守ればいいだろ?……それとも……お前乗り気じゃねえなら、Aちゃんの相手、煉獄に頼むか…」
「ああああ!!やりゃいいンだろ?クソ!!」
実弥が焦って宇髄様に言うと、肩で笑いだす。
「クク……そう言うと思ったぜ。じゃ、決まりだな。
椙崎さん、Aちゃんから聞いてると思うが…
念のため女隊士をもう一人女給として潜り込ませてもらいますんで」
「承知しました。でも約束してください!Aを絶対危険な目に遭わせないと。」
「あァ、俺らがぜってェそんな目には遭わせねェから大丈夫だァ」
女性隊士。
どんな人なんだろう。
蜜璃さんみたいな人ならいいな。
仲良く出来たら良いなぁ。
話が終わり、3人で店内に戻れば、
画家の横山先生が来店していた。
私に気がつくと、こちらへ来る。
「良かった。Aちゃんが居ないかと思ったよ。
椙崎さんから頼まれてね?僕もお酒の席は、初めてなんだ。よろしくたのむよ?……ん?そちらの方は?」
店の中であまりに目立つ宇髄様と実弥。
横山先生は、二人を見て私に聞いてくる。
「お二人もお客様です。では、宇髄様と不死川様、ごゆっくり…。わたくしは、少し席を外させていただきますね?」
イライラする実弥の様子を見て…
「不死川ぁ、もたもたしてると、あの野郎に取られちまうぜ?」
「ア"ァ"?るせぇ!!」
そんな話をしていたのは、私の耳には届かなかった。
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芳美(プロフ) - 前にメッセージありがとうございました♡読み始めたばかりで返事の仕方も分からず…(>_<)実弥のラスカルの画像も何故か消えてしまいました^^;これからも楽しみにしてますね♪ (2022年11月23日 18時) (レス) @page38 id: 7b568aa020 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - 実弥LOVEさん» この作品を面白いと仰ってくださり本当にありがとうございます。とても嬉しいです。パスワードですが、すみません、誰でも閲覧できるこちらではお教え出来ないので、メッセージに問い合わせいただけたらと思います(^-^) (2022年5月18日 20時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
実弥LOVE - 暁に風想ふ。凄く面白いです。この続編のパスワード教えて下さい。 (2022年5月18日 16時) (レス) @page50 id: 46d98ab23b (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - あのぅ....えのき様!私も占ツク作家デビューしたんですよ!鬼滅の内容で、「師範はご都合血鬼術と格闘中」っていうんですけどぉ....←さらっと宣伝すみません......ぜひ遊びに来ていただけると嬉しいです! (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - ひゃぁ....やっぱりえのき様の作品はどれも目から水の呼吸が止まりません....。過去作をもう一度読んでいるんですが、やはり同じところで...あぁ.....新しい発見や伏線回収でさらにキますね....。ありがとうございますぅ.....あぁ (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
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