診察ー蟲柱様との出会い ページ37
***
「あ、風柱様はこちらでお待ちください!」
あぁ、診察があるからか。
実弥は、部屋の外で待つこととなる。
「…失礼いたします……」
診察室に入るとツン……と、鼻をつく薬品の匂いだ。
正一さんの病院とはまた少し違う感じだが
薬学を勉強していた私には懐かしい雰囲気。
診察室を棚を見ると、何やら見慣れない薬品が
ズラリと並んでいた。
あれは……なんて薬なのかしら。
見た事ない薬品につい食い入って見つめていると
?「もしもーし?珍しいものに興味をお持ちですね?」
「ひゃ!!」
?「あら?驚かせてしまいましたか?」
いつから…そこに?
全く気配を感じなかった…
「あ……すみません……つい………」
声のする方を向きながら
謝ると、紫色の瞳の小柄でとても美しい女の人が
優しく微笑んでいた。髪には蝶の飾りが…
「お気になさらずに。薬にご興味が?」
「元……薬屋にございます」
そう説明しながら軽く会釈をする。
「そうですか、お話が合いそう。仲良くなれそうですね。私は蟲柱、胡蝶しのぶ。薬を研究しているんです。大まかな事は不死川さんから伺っております。血気術にかかったそうで、災難でしたね?あ、ごめんなさい、お名前を聞いてなかったですね」
「失礼いたしました。初めてお目にかかります。山崎Aと申します。実は…あの夜何があったのか…よく覚えておりません…いつ鬼と遭遇したのかも…。ただ、なにやら…甘ったるいお香のようなものを嗅がされたのは、覚えております。その後…さね…いえ、風柱様に助けていただきました。」
話すうちに和子さんを思い出してしまうと、
勝手に震えがくる。
俯いていると、優しく背中をさすってくれた。
「大丈夫ですか?」
「仲良くさせていただいた人が鬼の犠牲になったんです。私は…2度遭遇しても、助けられたのに」
今までの話を少しずつ打ち明けると
胡蝶様は、静かに耳を傾けて下さった。
「…そうですか。辛い経験をしましたね。かわいそうに。その傷も…」
「……はい」
その後…何も話す事なく診察が進む。
「…もう大丈夫だと思いますが、念のため解毒の薬を出しておきましょう。何も考えず、今は休みましょう。一晩様子をみて何もなければ帰っていただいてもけっこうですよ」
「ありがとうございます。お世話になります」
「どういたしまして。私もお会いできて良かったわ」
「え?あ…はい…」
……会えて良かったとは、どういう意味なんだろう?
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芳美(プロフ) - 前にメッセージありがとうございました♡読み始めたばかりで返事の仕方も分からず…(>_<)実弥のラスカルの画像も何故か消えてしまいました^^;これからも楽しみにしてますね♪ (2022年11月23日 18時) (レス) @page38 id: 7b568aa020 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - 実弥LOVEさん» この作品を面白いと仰ってくださり本当にありがとうございます。とても嬉しいです。パスワードですが、すみません、誰でも閲覧できるこちらではお教え出来ないので、メッセージに問い合わせいただけたらと思います(^-^) (2022年5月18日 20時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
実弥LOVE - 暁に風想ふ。凄く面白いです。この続編のパスワード教えて下さい。 (2022年5月18日 16時) (レス) @page50 id: 46d98ab23b (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - あのぅ....えのき様!私も占ツク作家デビューしたんですよ!鬼滅の内容で、「師範はご都合血鬼術と格闘中」っていうんですけどぉ....←さらっと宣伝すみません......ぜひ遊びに来ていただけると嬉しいです! (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - ひゃぁ....やっぱりえのき様の作品はどれも目から水の呼吸が止まりません....。過去作をもう一度読んでいるんですが、やはり同じところで...あぁ.....新しい発見や伏線回収でさらにキますね....。ありがとうございますぅ.....あぁ (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
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