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和子さんの行方 ページ3

***



「ね?今日食べに行きましょ?」


昼の私の様子を心配して和子さんが誘ってくれた。
カフェーから歩いて10分位の所にあるお店に
二人で入る。


お品書きを私に広げて見せ、

「ほら?好きなもの注文しなさい?ライスカレーがいいかしら?」

「え…でも……」

遠慮する私

「もう…。今日は、甘えなさい?美味しいもの食べて、明日も頑張ろう?」

「和子さん…。ありがとうございます。じゃあ
オムライスを……」

「あら、いいわね!私も1度食べてみたかったのよ。店員さーん!」

そう言うと、オムライスを2つ注文した。



暫くすると、注文の品がテーブルに置かれる。

……これがオムライスというんだ。
ご飯に卵が巻かれているらしい。


すごくいい匂い……


「さ、冷めないうちにいただきましょう?」

「はい!」

二人で手を合わせ「いただきます!」をする。
ひとくち口に入れる。


「……おいしい……」

「ほんと!とっても美味しいわね!でも、胃もたれしちゃいそう!」

肩をすくめてふふっと笑う和子さん。

私の為に……

ありがとう。









「また明日」

「はい!ありがとうございました」

「色々あるだろうけど…いつかきっと良い時が来るから。ね?今度、一緒に個展に行こう!」


和子さんは、優しく私に微笑みかけると、


「じゃ、私こっちだから!」


手を振りながら人混みの中に消えて行く和子さんの背中を暫くみつめ、深々と頭を下げた。

外はすっかり暗くなっていたが、
この辺りは、お店が建ち並び、夜でも人通りが多い。
お店に戻るのも寂しくない。


さて、私も店に戻りますか。

























「ねぇ、和ちゃんが出勤しないのよ、どうしちゃったのかしら。」




朝、2階から店に降りると、店主の椙崎さんが女給さん達に聞いていた。

和子さん、無断で休む人ではないのに。
どうしたのかしら…。

椙崎さんが私を見つけると、聞いてきた。

「Aちゃん?昨日和ちゃんと出掛けたわよね?
何か言ってなかったかしら?」

「昨日…別れる時、また明日と仰ってました」

「そう…。こんな事初めてなのよねぇ。心配だわ。」


本当にどうしちゃったのだろう……。







その時、ふとお客様の話を思い出す。
最近この辺りで、行方不明者がいるということ。









「まさか……ね?」









和子さんは……その日店に来ることはなかった。

思いがけない来店客→←カフェーの女給



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥   
作品ジャンル:恋愛
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芳美(プロフ) - 前にメッセージありがとうございました♡読み始めたばかりで返事の仕方も分からず…(>_<)実弥のラスカルの画像も何故か消えてしまいました^^;これからも楽しみにしてますね♪ (2022年11月23日 18時) (レス) @page38 id: 7b568aa020 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - 実弥LOVEさん» この作品を面白いと仰ってくださり本当にありがとうございます。とても嬉しいです。パスワードですが、すみません、誰でも閲覧できるこちらではお教え出来ないので、メッセージに問い合わせいただけたらと思います(^-^) (2022年5月18日 20時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
実弥LOVE - 暁に風想ふ。凄く面白いです。この続編のパスワード教えて下さい。 (2022年5月18日 16時) (レス) @page50 id: 46d98ab23b (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - あのぅ....えのき様!私も占ツク作家デビューしたんですよ!鬼滅の内容で、「師範はご都合血鬼術と格闘中」っていうんですけどぉ....←さらっと宣伝すみません......ぜひ遊びに来ていただけると嬉しいです! (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - ひゃぁ....やっぱりえのき様の作品はどれも目から水の呼吸が止まりません....。過去作をもう一度読んでいるんですが、やはり同じところで...あぁ.....新しい発見や伏線回収でさらにキますね....。ありがとうございますぅ.....あぁ (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えのき | 作者ホームページ:ありません  
作成日時:2021年10月17日 8時

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