嫉妬 ページ19
＊＊＊
「昨日はご迷惑をおかけしました」
椙崎さんに謝る。
「あら…いいのよ？それより昨日はどうだったかしら？」
何か期待をしている笑顔で私を見つめる椙崎さん。
私と実弥に何かあるはずがない。
「え？あ……特には……」
そう答える私に対しあからさまに残念がる椙崎さん。
「あら…残念ねぇ。……あ、そうだわ？今日から不死川さんと宇髄さんといらっしゃるのよね？お席は取ってあるから、そちらにご案内してね？」
指を指しながら私に伝える。
席を確認し彼らを待つが、昨日の事もあり
どんな顔をして会えば良いのか……。
そんな事考えているうちに実弥達が来店した。
「今日からよろしく頼む」
ニカリと素敵な笑顔の宇髄様。
実弥は……私の顔をなかなか見てくれなかった。
そして……
連れてきた女性を見て息を飲む。
「ふぅん…この店で暫く働くふりすれば良いのかしら？あら、あなた。どこかでお会いしたことあるわよね？」
目の前にいるのは
以前、実弥が詩乃ちゃんの店に連れて来た
小林さんだった。
宇髄様の話だと、本当は女性隊士を連れてくる予定だったのが、急に体調を崩したそう。
そして、実弥の所に来ていた小林さんが、付いて行くと、きかなかったらしい。
そして……
「思い出したわ？あなた……薬剤師の……。
へぇ、ｸｽｸｽ……随分と……ふぅん……」
馬鹿にしたような目つきで私を見つめてくる。
……感じ悪い。
そして私に言った。
「ねぇ？私も着替えないといけないわよね？案内してちょうだい？」
イライラするのを抑え込み、
「どうぞ、こちらです」と、案内した。
更衣室で着物と、エプロンを渡すと
聞きたくもない話をし始める。
以前鬼に襲われそうな所を実弥に助けてもらったらしく、権力のある父親に頼み込んで実弥と近づいたらしい。
「今回付いてきたのは、実弥さんのお世話が出来なくなっちゃうでしょ？だってぇ……任務が終わるまで、こちらに泊まり込むと…ほらぁ？ｸｽｸｽ……色々とね？離れ離れは、お互いに辛いし。」
何が言いたいの？
「…そうなんですね。では、着替えたらお店にいらしてくださいね」
平静を装いそう伝え、店へ戻ろうとする。
だってこんな話、聞きたくないんだもの。
さっさとここから離れたい。
「この衣装の私を実弥さんが見たら…脱がしたくなるかしら？ふふふ」
もうやめて！！
「失礼します。」
冷静に…冷静に。
私には関係ないんだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 368人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
芳美(プロフ) - 前にメッセージありがとうございました♡読み始めたばかりで返事の仕方も分からず…(>_<)実弥のラスカルの画像も何故か消えてしまいました^^;これからも楽しみにしてますね♪ (2022年11月23日 18時) (
レス) @page38 id: 7b568aa020 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - 実弥LOVEさん» この作品を面白いと仰ってくださり本当にありがとうございます。とても嬉しいです。パスワードですが、すみません、誰でも閲覧できるこちらではお教え出来ないので、メッセージに問い合わせいただけたらと思います(^-^) (2022年5月18日 20時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
実弥LOVE - 暁に風想ふ。凄く面白いです。この続編のパスワード教えて下さい。 (2022年5月18日 16時) (レス) @page50 id: 46d98ab23b (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - あのぅ....えのき様！私も占ツク作家デビューしたんですよ！鬼滅の内容で、「師範はご都合血鬼術と格闘中」っていうんですけどぉ....←さらっと宣伝すみません......ぜひ遊びに来ていただけると嬉しいです！ (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - ひゃぁ....やっぱりえのき様の作品はどれも目から水の呼吸が止まりません....。過去作をもう一度読んでいるんですが、やはり同じところで...あぁ.....新しい発見や伏線回収でさらにキますね....。ありがとうございますぅ.....あぁ (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
