どうしよう ページ14
***
椙崎さんと一緒に戻ると
実弥達の席は随分と盛り上がっているように見えた。
実弥の隣に座る先輩は、よほど気に入ったのか、
ピッタリと寄り添い、お酌をしていた。
私には妬く権利もないし、気にしてはいけないのに。
ズキズキと胸が痛む。
それを見ていた椙崎さんは先輩に伝えた。
「やす子ちゃん、少し奥に行ってくれないかしら?
Aちゃん、不死川さんのお相手お願いね?」
「あ…はい……」
椙崎さんは私とやす子さんに指示すると「では失礼します」と挨拶をし、他のお客様の元へ行った。
実弥の相手……ちゃんとしなきゃ。
座ろうとすると、先輩は、小声で私に耳打つ。
「不死川さんのお相手は私がするからあなたは、そこに座って?」
指をさされたのは、端の席。
にっこり笑顔だが、邪魔するなとばかりの態度だと
感じる。
初日から先輩と揉めたくない。
私は、大人しく指定された席に座った。
「Aちゃん、元気ねえな?何かあったんか?」
宇髄様が私の様子を見て聞いて来た。
「そんな事あり…『あー、ごめんなさい、この子今日お店初めてなんです。Aちゃん、お客様に気を遣わせたらだめじゃない』……はい」
「……すみません」
やす子さんは、その後も私に話す機会を与えてくれなかった。
それを見ていた実弥がイライラしながら言ってしまう。
「おィ、あんたいい加減にしたらどうだ?そんなんじゃAが何も喋れねぇだろ?」
一瞬、シン……っとなってしまう席。
途端に顔が歪む先輩。
まずい……。
私のせいで、先輩に恥をかかせてしまう。
「不死川様、違います!私があまりに不出来なもので、やす子さんが私を助けて下さってるだけなんです。ですから……」
「は?ちげぇだろ?どう見たってお前g…「いいえ!私が……未熟なだけですので……どうか……」」
お願いをすると
すかさず宇髄様が助けて下さった。
「まあまあ、せっかくの酒の席だ、皆仲良く行こうぜ?不死川も落ちつけよ。な?」
「Aちゃんの立場考えろ」
そして小さな声で、実弥を諌めた。
どうしよう……
仕事終わってからが怖いなぁ。
緊張したら喉がカラカラになってしまった。
目の前にあるグラスに入った水を
一気に飲み干す
「おい!それ俺の!」
「え……これ、お酒…?」
宇髄様が止めに入った時には
時すでに遅し…お酒は、私の喉を勢いよく通ると
じわじわと、胃まで火照り
あれよあれよという間に酔いが回りはじめた。
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芳美(プロフ) - 前にメッセージありがとうございました♡読み始めたばかりで返事の仕方も分からず…(>_<)実弥のラスカルの画像も何故か消えてしまいました^^;これからも楽しみにしてますね♪ (2022年11月23日 18時) (レス) @page38 id: 7b568aa020 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - 実弥LOVEさん» この作品を面白いと仰ってくださり本当にありがとうございます。とても嬉しいです。パスワードですが、すみません、誰でも閲覧できるこちらではお教え出来ないので、メッセージに問い合わせいただけたらと思います(^-^) (2022年5月18日 20時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
実弥LOVE - 暁に風想ふ。凄く面白いです。この続編のパスワード教えて下さい。 (2022年5月18日 16時) (レス) @page50 id: 46d98ab23b (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - あのぅ....えのき様!私も占ツク作家デビューしたんですよ!鬼滅の内容で、「師範はご都合血鬼術と格闘中」っていうんですけどぉ....←さらっと宣伝すみません......ぜひ遊びに来ていただけると嬉しいです! (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - ひゃぁ....やっぱりえのき様の作品はどれも目から水の呼吸が止まりません....。過去作をもう一度読んでいるんですが、やはり同じところで...あぁ.....新しい発見や伏線回収でさらにキますね....。ありがとうございますぅ.....あぁ (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
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