やっぱり言えない ページ11
***
しまった……。
これほど帰宅が遅くなるとは思いもよらず
もはや……夜食といえる時間帯。
おかずのチョイス間違えたなぁ。
「ごめん……胃もたれしちゃうよね。作り直すよ」
そう言いながらキッチンへ行き、冷蔵庫を開け、「何にしよう?」と、漁っていると
ふわりと抱きしめられる。
「…お前だって疲れてンだろ?無理すンなァ」
「無理なんてしてないよ?」
お前が作る料理は何でも美味いからなァ?
と言いながら、テーブルに戻り、文句も言わずに
食べ始める実弥。
……優しいな。
それに引きかえ…気遣いできてない私。
だめだ……。
……食事しながら今日の出来事を
実弥に話す。
「あのね?詩乃ちゃんと、蜜璃ちゃん、赤ちゃん出来たみたいだよ!」
「へェ。煉獄ンとこ、次は男だといいよな?
……伊黒もついに……親父になるんかァ。」
嬉しそうにする実弥。
「でね実弥。私も…『プルルル……』」
スマホを取り出し画面を見ると
「……わりィ、署からだァ。」
そう言うと、スマホをタップした。
私から少し離れ、応答する。
「…はい、不死川です。はい……はい……了解しました。」
もしかして……
「…呼び出しだァ、行ってくる。
……なァ。そういやァ、さっき何か言いかけなかったかァ?」
「え?……あぁ、いいの。大した事じゃないから。それより、用意しないと……」
と、笑い返す。
帰宅して2時間足らずで、本署に戻ることとなった。
慌ててアイロンかけたYシャツを渡すと
着替える実弥。
玄関まで送り出すと、
私をぎゅうっと抱きしめ言った。
「帰ったら、また話聞くからな?」
私は…背中に回した手に少しだけ力を入れ言った。
「……ん。」
実弥は首の後ろに手を回しと近づくと
私もそっと目を閉じ、優しく唇が重なる。
「行ってくる」
「行ってらっしゃい……」
バタン……と閉まるドアの前で
ふぅ……っとため息をつく。
これが……この先ずっと続くんだよね?
ねぇ。
やっぱり言えないよ。
子供が増えたと聞いたらなんて思う?
ただでさえ忙しいのに。
絶対実弥の負担になっちゃう……。
とりあえず、
明日、病院へ行って確かめなければ。
そして、どうするのか……
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柚葉(プロフ) - ドキドキ💦😵 (2023年1月7日 5時) (レス) @page49 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - ヒロインちゃんと子供が無事でありますように。母子共に無事でいて欲しいです。 (2023年1月3日 17時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - すみません。ありがとうございます。 (2023年1月3日 12時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - kanayamamoto112さん» わわ!楽しみと仰っていただきありがとうございます。益々更新頑張れます!心配になっちゃいますよね?波乱たっぷりで申し訳ないです(;゚∇゚)後程アップしますので少々お待ちを。また、ここで説明しきれないので、こみゅにメッセージしました。ご確認くださいませ。 (2023年1月3日 11時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 良かったです。ヒロインちゃんと不死川さんと子供達の親子で一緒にいるシーンが好きです。ヒロインちゃんと不死川さんの息子の拓弥君と煉獄さんと詩乃さんの娘ももかちゃんの子供達の恋の行方も楽しみです。炭治郎や禰豆子やカナヲ達の登場も気になります。 (2023年1月3日 11時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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