出来ちゃった！？ 5 【不死川実弥】

旧友との関係 ページ42

＊



冨「ずっと渡したかった」



冨岡さんは、懐かしそうに？少し遠い目をしながらゴソゴソとポケットの中を探り、手を引き出そうとする。


「え？あ、ちょっ！！待って」


何故だか分からないが、気がつけば冨岡さんと実弥の間に入っていた。


実「A？おめェ……何やってんだァ？」


実弥に言われ、無意識に動いた手に視線を向けると、
冨岡さんの手を握りしめていた。


「…っ！！わわわ…ご、ごめんなさい！」


何をしてるんだ、私。


慌てて手を離そうとし、
自分自身の言動に首をかしげていると
その手を見つめながら冨岡さんは言った。

冨「…俺は(不死川と)仲良くしたい」

えええ？
私と仲良くしたい？
そんな事急に言われましても…しかもこんな可愛い奥様の前でなんて事を？
すると、目の前にいる実弥の機嫌が悪くなっていく。


実「アァ？冨岡ァ、てめェも何言ってンだァ？」

そんな状況に、こころちゃんのママはやれやれと呟く

し「そんな言い方したら、また誤解されますよ？」

し「不死川さん、ごめんなさい。義勇さん、相変わらず口下手なんです。不死川さんと仲良くしたいんですよ。」

冨「昔不死川と仲良くしようと試みたんだ」

そう言いながら手の中の物を見せてくると
和菓子屋の優待券……

なんだ、そういうことね。
焦ったわ…。懐からおはぎでも出してくるかと思ってしまったわ…。


実「チッ…そうならそうと言えよォ、一緒に飯食いに行った仲なんだからよ？…おめェとはな？」


冨「そうだが…」


へぇ、そうなんだ。
私はてっきり仲があまりよろしくないと……

でも良かった。仲が悪いわけではないのよね？
だって…あの後……

あれから二人共に不自由な手を……








.









不自由な？








.








どうして私、そんな事思った？

やっぱり、変だ。
あの夢が関係してるのかな…
こうやって、、フラッシュバックのような事が続き、
パズルのように見るバラバラの夢。
記憶が全て揃った時、私は受け止めきれるのかな。

不安でいっぱいになりそう……





そんな時。





服の裾をクイッと引かれ視線を向けると


拓「ままぁ？」


中々動かない私に座ろうよぉと、グイグイ引っ張る息子。愛くるしいその笑顔を見つめると
不思議と心のモヤモヤが晴れて行った。


「ん？あぁ、ごめんね？座ろっか？」



拓「うん！！あっちぃ！」



子供の切換は早い。気がつけば皆と仲良くなっているではないか。夢に振り回されすぎだわ、私。

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