最終日 ページ46
***
「お世話になりました!」
所轄の上官に挨拶をし、身支度をする。
研修が全て終わり、あとは、配属先があるのか否か…一定期間に採用がなければ……
この数ヶ月の努力が"水の泡"だ。
なんとか…採用してもらいたいところだ。
「不死川君?お疲れ様!」
スッと飲み物を俺に差し出す胡蝶。
「おぅ…ありがとな」
うん…と笑顔で頷き、プシュッ……と飲み物の蓋を開けると、俺の隣に座る。
「ほーんと。3ヶ月なんてあっという間ね?」
「色々世話になったなァ?」
「こちらこそお世話になったし、また一緒に働けて嬉しかったわ?」
また?
「………あ?あ、あぁ、そうだな」
俺の表情を見て笑う胡蝶、
こいつは、たまにこういう顔すンだよな。
「……クスクス。昔から…考えるより先に行動してしまうから、奥様にあまり心配かけさせないよう
にね?」
俺の性格よく知ってるな……。
つーことは、俺って単純っつーことか!クソ。
「…………分かってらァ。」
ぶっきらぼうに返事する。
「……ねぇ?不死川君?やっぱりあなたはお……」
「あー!!!二人だけでズルいですよぉ!」
いきなり声かけやがって!!
小林でけぇ声だな!
胡蝶が何か言おうとしてたのに邪魔しやがって……
「小林ィ!おめェ……うるせー!!」
「ひぃ!怒られたぁ!カナエ先輩助けて?」
「いつも言われてるのに、小林が直さないからよ?」
は!胡蝶にも言われてらァ。
「ンで胡蝶、今何か言いかけただろォ?」
「え?あぁ、……ううん?もういいの。じゃ、私、仕事にもどるわね?」
「先輩夜勤お疲れ様です!」
はーい!と言いながら、胡蝶は奥へと行ってしまう。
「ンじゃ、俺もそろそろ帰るわ」
席を立つと、急に俺の上着をグイッと引っ張る
小林。
「待って下さい……」
なんだ?こいつ……さっきの調子とは違う?
「本当に…私を覚えてないんですか?」
「……は?お前…何言ってンだァ?たしか去年
研修で俺の部署に来たよな?」
そンくらいしか、、
「わりィな、覚えてねェわ」
「私は……不死川さんを知ってるのに。」
は?どういう事だ?
「お前……」
『おい不死川ー!!帰る前に書類書け!』
奥から呼び出しだ。
「上官が呼んでらァ、またな?鏑丸で飲み会やるみたいだからそん時、聞くわァ」
「…分かり…ました。」
小林は、一体俺の何を知ってるんだ?
分からねぇ!!
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えのき(プロフ) - れもんさん» コメントありがとうございます!褒めてくださりありがとうございます!お気に入り登録もありがとうございます!楽しんでもらえたようで良かったです(*^^*) (2021年9月26日 7時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
れもん - こんばんは!読みだしたら止まらなくなって、すいすいと全部読めました!とっても面白いです!続編も楽しみにしてます!お気に入りを666から667にしてしまった罪悪感…。…でも、お気に入りにしない選択肢はなかった!ウンウン(/・ω・)/ (2021年9月25日 20時) (レス) id: 5102ae8dc8 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - ユイぱさん» 続編へ移行します。準備が整いましたら公開しますね! (2021年9月23日 17時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - 柚葉さん» 小林さん……こわいよね? (2021年9月23日 16時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
ユイぱ - 続編できるんですか?楽しみです! (2021年9月23日 16時) (レス) id: 21c5274ef7 (このIDを非表示/違反報告)
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