聞いてないフリ ページ24
*
ドサッ……とバッグを落としてしまった。
実弥達の会話は、詩乃ちゃんにも聞こえていたようで、すぐ私に話かけようとするが、人差し指を
口につけ、『シッ!』のゼスチャーをする。
私達がいることも知らずに
実弥の同僚はどんどん話す。
「私、最初から思ってたんですよねぇ、不死川さん刑事熱望してたじゃないですかぁ。やっぱりあの時に、先輩を選んでた方が良かったと思いますよ?先輩は、警察学校の時からずっと……」
「ンな昔の話ィ……蒸し返すなァ」
「へええ?その先輩が異動してきて、内心気にしてるんじゃないですか?最近一緒の時間多いし。」
「チッ……るせェ。男をからかうんじゃねェ」
「あー!顔真っ赤にして。署内で不倫はダメですよ?」
「アホォ、想像力有りすぎだろォ、ンな事言ってねェでなァ……」
「はいはい!先輩に会いたくなっちゃいましたぁ?」
「おィ!!しつけェ!!!」
・
「う……うわぁぁぁん!!」
「ぁ……桃香……静かにして」
実弥の声にびっくりした桃香ちゃんが泣き出すと
慌てて泣き止ませようとする詩乃ちゃん。
私達がいること、バレ……た…?
「ごめん……」
私に向かって手を合わせる詩乃ちゃんは
小さな声で私に謝る。
すると、誰かが近寄ってきた。
ヤバイ……
・
私の目の前に実弥が来てしまう。
「おィ…どうしてここに……」
あああ…バレた。
「あ……あれぇ?凄いぐうぜーん!こんなとこで……会うなんて……へへ……」
私、大丈夫。大丈夫だもん。
早く……早くこの場を離れないと……
溢れる何かを必死に隠す。
「……聞いてたのか?」
実弥は、険しい顔をして私に聞いてきたが
動揺を隠すように、わざと大きな声で、
何も知らないように振る舞った。
「えええ?な、なに言ってるの?なーんにも聞いてないよ!仕事中?こんなところ、上官に見られたらまずいでしょ?詩乃ちゃん!行こう?」
「え?あ……うん……」
どう反応して良いのか分からない詩乃ちゃんは、
とりあえず私に従う。
「あ……Aちゃん、待って!不死川さん、失礼します。」
詩乃ちゃんは、実弥達に軽く頭を下げて
私の後を追いかけてきた。
──────
実弥side
「おィA!待てって!…………クソ…行っちまったァ……」
「不死川さん、今のって……まさか……奥さん?」
心配そうに俺を覗きこむ後輩。
「あァ……そのまさかだァ……」
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えのき(プロフ) - れもんさん» コメントありがとうございます!褒めてくださりありがとうございます!お気に入り登録もありがとうございます!楽しんでもらえたようで良かったです(*^^*) (2021年9月26日 7時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
れもん - こんばんは!読みだしたら止まらなくなって、すいすいと全部読めました!とっても面白いです!続編も楽しみにしてます!お気に入りを666から667にしてしまった罪悪感…。…でも、お気に入りにしない選択肢はなかった!ウンウン(/・ω・)/ (2021年9月25日 20時) (レス) id: 5102ae8dc8 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - ユイぱさん» 続編へ移行します。準備が整いましたら公開しますね! (2021年9月23日 17時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - 柚葉さん» 小林さん……こわいよね? (2021年9月23日 16時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
ユイぱ - 続編できるんですか?楽しみです! (2021年9月23日 16時) (レス) id: 21c5274ef7 (このIDを非表示/違反報告)
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