出来ちゃった！？ 3【不死川実弥】

太陽のような人 出逢い番外編3 ページ11

＊

約束の日……

約束の時間よりバイトが早く終わったため
どうしようか迷ったが……

煉獄さんのお店まで行くことにした。

ドキドキしながらお店に向かい
バッグから小さな鏡を出して
身だしなみチェックする。

変じゃ……ないかな？

近くまで行くと
お店の入口に煉獄さんの後ろ姿を見つける。
まだお仕事している様子だった。

声をかけるべきか否や……迷う。
高鳴る胸をおさえ、呼吸を整えると
迷ったけど、声かけちゃおう！




近くまで駆け寄り声を掛けようとした時


「煉獄さ………「杏寿郎さん！ほらこちらにいらして？」」


とても……とても……和服の似合う美しい人が
煉獄さんのお店から出てきた。



その女性に優しく微笑みかけている煉獄さん。
一瞬で、その女性が特別なんだと理解した。



あんな素敵な人に、
彼女がいないわけないじゃない？
私、何を期待しちゃったんだろう……

お店に背を向けると、走ってその場を去った。



私。何を浮かれていたのだろう…








次の日の朝…

呉服屋の前を通らないように、別のルートで
バイトに行く。


煉獄さんが店に来たのが見え、つい厨房の奥へと
逃げ込むと

「詩乃？お客さんが呼んでるけど？ほら？
よく来てるさつまいもの人」


昨日約束をすっぽかしたんだよ？私。
待って！どうしよう…
どんな顔して会うの？
無理無理！


「む…無理だから！
居ないって言って断って！お願い！！」


「でも……」


「いいから！！」
頑なな私の態度にため息を漏らしながら
分かったと、断りに行ってくれた。

これで、もう会うこともなくなる。
私の淡い恋は あっという間に……
桜の花のように散った。



──────









・









「え？」


「……ねぇ？今日も来てるよ？いい加減……
会ってあげなさいよ？」


あの日から毎日店に来ては、
私を呼びだそうとする煉獄さん。
私を呼び出して、何をしたいんだろう。


あんな綺麗な彼女がいるのに
だめじゃないの…



もう……会わないと決めたんだから。




「じゃ…お疲れ様ー。詩乃、またね？」


「うん、お疲れ様。」


今日は１人欠勤だったから、
閉店まで仕事だった。
さて……帰るかぁ。
従業員出入口から外に出ると



「詩乃さん！！やっと会えた！！！」


「ひっ！！」


暗がりから大きな声が響き、
思わず肩と声が上がる。

この声は……




「煉獄さん……どうして？」

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