出来ちゃった！？ 2 【不死川実弥】

陣痛 ページ44

＊

39週に入った。

今日の検診で大分赤ちゃんが下がって来てると聞いた。
内診したからなのか……
夜中から何となくきてる気がする……
この痛み覚えてる。


「A？大丈夫か？」


「あ、実弥ごめん起こしちゃった？
もしかしたら…来たかもしれない……」


「でも痛みがまだ軽いからまだまだ時間かかるし、実弥、ちゃんと寝て？私は大丈夫だから」

「大事な奥さんが苦しんでんのに寝てられっかよォ……」
そう言いながら腰を擦ってくれる。
実弥……優しいね。

「ありがとう。でも…本陣痛ついたら一緒に居て欲しいから今は休んで？何か変わったことあったら起こすから。ね？」

お願い。と、実弥を見つめると

「俺の奥さんは逞しいな？じゃ……少し休むけど
何かあったらすぐ起こせよ？」

おでこにキスを落とすと
実弥は目を閉じた





きゅう……と張るお腹。
まだまだ生まれるにはほど遠い痛み。

こっからあの痛みに近づいていくのか……。
何となく思い出してきた。

とりあえず時間だけみておかなきゃ……
経産婦だから……お産が急に進むかもしれない。






弱い張りを感じながら朝を迎えた。

「A…大丈夫か？」

実弥が起きて私を気にしていると

「ママぁ…だぁ…だぁ」

抱っこか。
「拓…おいで？」

拓が寝ぼけてすり寄ってくると
私のお腹を小さな手で擦ってくれた。

こんな小さな子供でもわかるんだ…
「拓？もうすぐお兄ちゃんだね？
可愛い妹が生まれたら……皆で遊ぼうね？」

きゅうっと息子を抱きしめた。


「お母さん？うん……今から病院へ行くから。
でもすぐ生まれないし、慌てなくて大丈夫だから。うん。拓の事お願いします」


病院へ電話したら入院の荷物を持って来院するよう言われ、実家にも連絡を入れる。


「荷物はこれだけか？」
車に積み込むと、拓をチャイルドシートに乗せる。

「うん…じゃ、行こっか」

車に乗り込み病院へと向かう。
駐車場に着くと


「あれ？詩乃さん？」



「あ…Aさん…痛っ」

「詩乃！大丈夫か？ゆっくり…ゆっくりだぞ？」

煉獄さんが、ふらつく詩乃さんをしっかり支えている。
少し待つと、痛みが治まったようだ。
私より痛みが強そう…おまけに顔色があまりよくないように見えた。

「詩乃さんも陣痛…？」

「Aさんも？ふふ…じゃあ、同じ日に産まれるかもしれないね？」




すぐに母がかけつけてくれた。
不死川の両親が拓を見てくれることになったため、拓は実弥の実家へと連れていかれた。

まだまだ……→←煉獄家

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