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Aside
はぁ…。
とぼとぼと帰路につく。
30切れ用意したアップルパイは30切れのまま。
今日もダメだった。その事実がグサリと私の胸に突き刺さる。今日も私の声は街のみんなに届かなかった。
まるで私がいないかのように扱うんだ、みんな。
私が透明になっちゃったみたい…。
『だったら私は生まれたときから透明だったんだろうなぁ…』
自分のお菓子が売れないのは慣れっこなのにな…。
『っ…くやしぃ…』
あぁ、私って悔しいと思ってたんだ。
自分で言ったはずなのに、すごく驚いた。
悔しい、か。
…お父さんたちも、同じ気持ちだったのかな。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
私、お父さん、お母さんの3人で暮らしていた加賀峰家は、雰囲気も暖かく、近所の住民とも仲の良い家族だった。
父、母ともに研究者で、国のためにテキパキと仕事をこなすが、2人ともユーモアの溢れる人。
私はそんな両親を、心から尊敬していたし、大好きだった。
だけど、その幸せは壊れた。
そう、それはまだ私が4歳の頃。私が事を知ったのは他国へ仕事に行った両親の留守番をしているときだった。
「大変だよAちゃん！急いでうちに来な！」
普段から良くしてくれていた近所のおじさんとおばさんに慌てて家に連れて行かれた。
そこから5日間もお世話になり、不思議に思った私は夜遅くに2人の会話を盗み聞きしに行った。
「ねぇお前さん、あのことAちゃんにはいつ言うのよ…」
「そ、そんなこと言ったって、どう伝えればいいんだよ…！」
あのこと…？
2人の話は、恐らく良くないこと。
それは幼かった私にも分かった。
私は無言で扉を開ける。
「あ、Aちゃん…」
焦った顔で、クッキーあるよ！と誤魔化す二人を見て、良くない話であることは確信に変わった。
そしてそれはきっと、私の両親の話。
なぜならば、おじさん達にお世話になり始めた日は、私の両親が帰ってくる日だったからだ。
しかし、もちろんそれはあっても4歳の私にはそんなこと気づかなかっただろう。だから絶対分からない。
『…お父さんと、お母さんは…？』
分からないのに。分からないはずなのに私はそう口にした。
ピキリと顔が固まった二人。
「お父さんとお母さんかい？もうそろそろ帰ってくるからおばさん達と一緒に遊ぼうか！」
違うでしょ。私分かるもん。
じっと見つめると、二人は顔を見合わせ、こちらを向いた。
「…実は、」
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周-amane- - ありがとうございます！掛け持ちなので少し更新遅くなってしまうかもしれませんが頑張りますね！ (2022年5月8日 14時) (
レス) id: 1c43eceea4 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - めちゃめちゃ面白そう😌💙更新楽しみにしてますー！！！ (2022年5月7日 21時) (レス) @page1 id: b5a956d8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：周-amane- | 作成日時：2022年5月7日 16時
