すれ違って惹かれ合うpart２【そらる】

すれ違い72 ページ29

折原side


西野はなかなか答えない。


「俺も、どうなんか気になるんやけど…」


秋「ほら！折原くんも気になるって……あれ、折原くんちょっと訛ってる？」


な、な、なんやこの人、頭めっちゃキレてるやん。


何でもバレそうで怖いわ……



ｳｲｨｨﾝ



お客さんが2人入ってきた。


秋「いらっしゃいませ〜」



あきちゃんはまだモップをかけていて、俺は在庫を確認するため移動しようとしたとき。




『私、彼氏ができたの。』


西野の口が開いた。


「え……そう、なん」


俺は足を止め、西野の方に振り返る。



仙台の友達と、高校のころの友達と。
付き合うこととか、できるんか……


『うん！』


離れている昔の友達と、どうしたらそんな関係になれてしまうんだろう。



『折原も……じゃなくって、センラも知ってる人だよ』



センラも知っとる人…？

そんなん笑顔で言わんといてよ。



けど、センラも知っとる人ってことは……


「歌い手…」


お客さんがレジに来たから、西野は頷くだけだった。



ピッ、ピッ、というレジの音が、同じＣＭばかり流れている店内でとても大きく聴こえた。

すれ違い73→←すれ違い71

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す