第二章 おまけ ページ10
「なんやねんアイツ、なんで俺のせいで遅れたからって半分手伝わければならないんや！」
時刻が10時をまわり静まりかえった城内に一人、見回りから帰った幹部の声が響く。
「蟹は奢ってもらえないし...だいたいショッピが...」
いや、もう面倒や。俺の理想が現実からかけ離れているだけや。
今日は一杯部屋でのんでから寝ようかと思ったけど、疲れているしさっさと寝よかぁ。
そう言ってドアノブに手をかける。
「あら、開かへん。押しと引き間違え...
あ!!」
そうや、蟹騒動の時に鍵かけられたままやったから開かないやん。合鍵は多分ショッピかグルさんやろ？とりにいくのキッツ...人に頼むか。
「誰か〜！助けて〜!!」
いやもしかしたら夢オチかもしれへん！
その僅かな希望にかけて隠していた場所を確認する｡
「やっぱりないか...」
どうやら現実だったらしい。
しかしこのタイミングで左から希望の足音が聞こえた。
振り向くとそこには
「どしたんチーノ、なんか探しとるんか？」
「ゲッ、トントン。寝てたんやないんか？」
希望はソッコーで潰えた。なんなら絶望に近づいとるやろ。
「お前の声が聞こえて起こされ、助けにきたのになんや、その[ゲッ]は？」
やめろトントン。お前の優しさが全て裏目に出とる。
「で、何探しとったん？」
「いやなんでもないですよ」
・・・
なんだ？この沈黙。
「お前鍵失くしたんか？」
詐欺師に質問するとは、いい度胸じゃないですか。
「んなわけないや「なら部屋入らんのか？」...」
それは怪盗に頼んでくれよ!!
「はぁー、お前やっぱり失くしたんやな」
「いや、それはちゃう！」
「じゃあどこにあるんや!?」
半ギレトン氏...ここから完全に怒るんやろな。
「部屋の中や！」
「は？○カですか？中から閉めれるわけないやろ！」
これはもう、どうしようもないな。
「あー！はいはい、言いますよ！」
この後1時間にわたるトントンの粛清の後、
「ボーナスが半分になる弓」で射抜かれるのはまた別の話...
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作者名：ソラ | 作成日時：2022年12月4日 11時
