#14 ページ16
ーセンラsideー
『歌い手の《そらる》こと紺野 彼方、です』
梓ちゃんが発した名前。
不思議とあまり驚かなかった。
いや、ちょっとは驚いたんやけど。
なんとなく、分かったような気がした。
これまでに何度かAtRのライブに行った梓ちゃんの話を聞いてきたが、そらるさんの話をしたことはなかった。
『驚きました？』
「あ、うん、驚いたわ。なんで別れたん？」
『うーん…彼方が、歌い手活動に専念したいって言ったからですかね。私と出会う前から《そらる》として活動してましたから。』
「へぇ…」
いつの間にか届いていたカシスオレンジを少し飲むと、へらっと笑う梓ちゃん。
『別れ話の時、私泣いちゃって…あんなに大好きだった彼方に出てって、って言っちゃって。
その時彼方が一瞬悲しそうな顔をして…きっと傷つけたんです。』
当時を思い出したのか、少し長い睫毛を伏せて
自嘲気味に笑う。
目尻に涙が溜まっているのが見えた。
『今も未練たらたらです。もう諦めないといけないって分かってるんです。
でも無理なんですよね…一度好きになった相手を忘れるなんて、できないんです、私は』
堪え切れなくなったのか、ツーと綺麗な涙が梓ちゃんの頬を伝う。
ゴシゴシとその涙を拭って、またへらっと笑う梓ちゃん。
なんでそんなに明るく振舞おうとするんやろ。
俺の前でなら自然体でいいのに。
気持ち悪がられてもいい。
そう思って、梓ちゃんを抱きしめた。
『ふ、船山先輩…っ』
「ええよ、泣いて。」
『いや、でも…船山先輩の服濡れます』
「気にしんでええよ。」
頭を少し撫でると、糸がプツンと切れたように、梓ちゃんは泣いた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿_
＿__
十数分経った後、先ほどよりかは涙は落ち着いたようだ。
『ごめんなさい。船山先輩』
「ううん。大丈夫」
『帰りましょうか、飲む雰囲気じゃなくなりましたね』
「また飲み直そか」
残ってたカクテルを飲み干して、代金を支払うと店を出た。
『えっと…奢ってもらっちゃって…すみません、ありがとうございます』
「先輩やねんし、奢るのは当たり前やろ〜。
いつでもいいし頼ってな。」
『…っはい！』
うそ。
"先輩"としての俺 には頼らないで。
元彼の話は聞きたくない。
『また明日』
梓ちゃんは背を向けて歩き出す。
まって＿＿
梓ちゃんの腕を掴んだ
驚いた顔する梓ちゃんに
「俺、梓ちゃんのこと好きなんよ」
そう言った。
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雷亜 - 私って涙もろいんですよ(笑)一ページ 一ページ泣いて泣いて泣いて(笑) もうすごいですよ涙の量が((殴 (2018年4月7日 9時) (
レス) id: e1e03b0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - 読みやすいしキャラが掴めていてとても楽しく拝見させていただいています。好きです。 (2017年12月10日 10時) (レス) id: 9ac8f0bb45 (このIDを非表示/違反報告)
MiKU(プロフ) - 星華(´∀｀*)さん» ありがとうございます！無事第1章が完結してこちらも嬉しい限りです…！そう言っていただけて私も頑張って書き続けた甲斐がありました！続編含めて頑張るのでよろしくお願いします！ (2017年11月14日 7時) (レス) id: fb7ad52b3c (このIDを非表示/違反報告)
星華(´∀｀*)(プロフ) - 1章完結おめでとうございます！もう…一気に読んだんですが…涙が…。すごく好きになりました！！続編楽しみにしてます！頑張ってください！ (2017年11月13日 16時) (レス) id: 110a37d70c (このIDを非表示/違反報告)
MiKU(プロフ) - 唄葉さん» 唄葉さんありがとうございます！大好き、なんて言葉わたしにはもったいないです……！第2章でも頑張らさせていただくので、よろしくお願いします！ありがとうございました！！ (2017年11月4日 16時) (レス) id: fb7ad52b3c (このIDを非表示/違反報告)
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