#32 ページ34
.
『なんで、知ってるんですか』
「昨日翔太から聞いた。」
『そうなんですか…』
バツが悪そうに目をそらす梓。
今、梓の頭の中は翔太のことでいっぱいなのかな。
嫌だな
『私にとって…翔太は大切な人で、幼馴染で…』
「うん」
『恋愛対象で見られてるなんて気付かなかったです…。今まで何気ない言葉で傷つけてたらどうしよう…』
「翔太が、さっきそう言った？」
『…え？』
「傷ついた、って言ったの？」
『言ってない…です』
「本人がそう言ってないんだったら、大丈夫。そんなのただの
『でも…』
それでも自分を責め続けようとする梓の頬を両手で包んでこちらを向かせる。
どこか幼さの残る綺麗に整った顔。困惑したように揺れる瞳に微笑む俺の顔が映る
「俺だったら、自分のせいで好きな人が悲しむのは嫌だよ」
『彼方せんぱ…』
「好き、好きだよ、梓。
俺と付き合ってください」
たった一瞬で惚れたのなら、この恋が終わるのも一瞬でいい
ドラマチックな展開なんて望まないから。
『…っわた、しも…彼方先輩のことが好きです。』
「本当に…？」
『さっき、翔太が私に "本当に好きな人が誰なのかか気づいて" って言ったんです…
その時に思い浮かんだ顔が、彼方先輩でした…。
初めて会った時から惹かれてたんです。』
「…っ」
『私でよければ、お願いします…っ』
「ちょっと待ったーぁ！！」
特徴のある高い声が耳に届く。
そっちの方を見れば、暑い夏とは正反対の白い髪を揺らす真冬が走ってきた
「真冬！待ってってば！」
その後ろから ヒーヒー言いながら後を追いかける………翔太がいた
「彼方さん、梓ちゃんの独り占めなんか絶対許しませんからね！」
「…え、え？」
「当たり前ですよ！梓ちゃんは僕の大事な幼馴染で唯一の女友達なんですからね！
梓ちゃんが彼方さんばっかりかまったら……僕と遊んでくれる人がいなくなっちゃうじゃないですか！」
「待って、真冬。俺がいるよ。ここに もう一人の君の幼馴染がいるよ」
苦笑いを浮かべて、翔太は自分を指差す。対して真冬は梓にもっと構ってと縋っていた
「まあ、とにかく。
梓ちゃん、彼方さん、おめでとうございます」
『翔太…』
「そんな悲しそうな顔しないで！笑ってよ、梓ちゃん。」
『…ありがと…っ』
翔太は、俺の方を見て微笑むと
梓ちゃんのことよろしくお願いします
そう言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 349人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雷亜 - 私って涙もろいんですよ(笑)一ページ 一ページ泣いて泣いて泣いて(笑) もうすごいですよ涙の量が((殴 (2018年4月7日 9時) (
レス) id: e1e03b0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - 読みやすいしキャラが掴めていてとても楽しく拝見させていただいています。好きです。 (2017年12月10日 10時) (レス) id: 9ac8f0bb45 (このIDを非表示/違反報告)
MiKU(プロフ) - 星華(´∀｀*)さん» ありがとうございます！無事第1章が完結してこちらも嬉しい限りです…！そう言っていただけて私も頑張って書き続けた甲斐がありました！続編含めて頑張るのでよろしくお願いします！ (2017年11月14日 7時) (レス) id: fb7ad52b3c (このIDを非表示/違反報告)
星華(´∀｀*)(プロフ) - 1章完結おめでとうございます！もう…一気に読んだんですが…涙が…。すごく好きになりました！！続編楽しみにしてます！頑張ってください！ (2017年11月13日 16時) (レス) id: 110a37d70c (このIDを非表示/違反報告)
MiKU(プロフ) - 唄葉さん» 唄葉さんありがとうございます！大好き、なんて言葉わたしにはもったいないです……！第2章でも頑張らさせていただくので、よろしくお願いします！ありがとうございました！！ (2017年11月4日 16時) (レス) id: fb7ad52b3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
