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整えられた部屋。
響くのは私のすすり泣く声。
「ごめん」と言った
重い沈黙が流れる。
十数分前、四年も付き合った彼氏……彼方に「別れよう。友達に戻ろう」と告げられた。
「歌い手として最近人気が出てきたし、まふまふとユニットを組むことになったから……歌い手業に専念したいんだ」
『……』
「だから梓のこと構ってられないかもしれないし…迷惑をかけることになる」
『私は…それでも…』
いいのに。
なんて言葉を言えなくなるような
悲しそうな目で彼方は私を見ていた
彼方は生半可な気持ちで何かを取り組むのが嫌いな人。
何よりも優先してくれた
でも……今の彼方には彼女以上の大切なモノが出来てしまった
何を言っても届かない。
手を伸ばしても届かない。
《そらる》として遠い場所に行ってしまう
それをついに思い知ってしまって、涙が溢れて、冒頭に至る。
もう無理だ。
『もう…私に気がないのなら……!見てないで、出て行ってください。彼方……先輩。』
「…っごめん」
目を合わせないで彼方は出て行った
『…っ、ひっ…かな、たぁ…』
彼方の前でずっと抑えていた涙はドアが閉まる音が聞こえた瞬間、何かが切れたかのようにあふれた。
聞きたくなかった
言いたくなかった
大好きだった
ううん
大好き
ごめん
笑えるようになるまで待っててね
そらる…
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雷亜 - 私って涙もろいんですよ(笑)一ページ 一ページ泣いて泣いて泣いて(笑) もうすごいですよ涙の量が((殴 (2018年4月7日 9時) (レス) id: e1e03b0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - 読みやすいしキャラが掴めていてとても楽しく拝見させていただいています。好きです。 (2017年12月10日 10時) (レス) id: 9ac8f0bb45 (このIDを非表示/違反報告)
MiKU(プロフ) - 星華(´∀`*)さん» ありがとうございます!無事第1章が完結してこちらも嬉しい限りです…!そう言っていただけて私も頑張って書き続けた甲斐がありました!続編含めて頑張るのでよろしくお願いします! (2017年11月14日 7時) (レス) id: fb7ad52b3c (このIDを非表示/違反報告)
星華(´∀`*)(プロフ) - 1章完結おめでとうございます!もう…一気に読んだんですが…涙が…。すごく好きになりました!!続編楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年11月13日 16時) (レス) id: 110a37d70c (このIDを非表示/違反報告)
MiKU(プロフ) - 唄葉さん» 唄葉さんありがとうございます!大好き、なんて言葉わたしにはもったいないです……!第2章でも頑張らさせていただくので、よろしくお願いします!ありがとうございました!! (2017年11月4日 16時) (レス) id: fb7ad52b3c (このIDを非表示/違反報告)
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