35 ページ35
私らはなんとか本戦に進めた。
良かった。
貴「尾白？庄田だっけ？ありがとう。あと、ごめんね。」
尾白「A、俺、終盤の記憶しかはっきりとないんだけど、何か分かる？」
貴「操られてただけ。私は未然に防いだけど。尾白、ごめんね。」
私はお昼を食べに食堂へ向かった。
今日は流石にお弁当は作っていない。
・
・
・
・
・
・
・
ここはどこ？
慣れないスタジアムから食堂への移動が私にできるハズがなく。
スタジアム内をグルグルと回っている。
すると、見慣れたツンツン頭があった。
ラッキー、爆豪だ。
貴「ねぇ、爆豪。」
爆豪「黙れ。」
ひどくない？
けど、理由はすぐに分かった。
焦凍「個性婚って、知ってるよな。」
緑谷「個性が発現して、第二、第三世代間で問題になったやつ・・・。」
焦凍と緑谷が話しているのだ。
私と爆豪は黙って聞いていた。
彼の話す内容は、驚くべきものだった。
焦凍は父である、No.2ヒーロー、エンデヴァーに幼い頃から鍛えられて、それを庇ってくれていた母親も父親から暴力を受けたそうだ。
そして、母親は病んでしまい、焦凍に煮湯を浴びせて彼の左目のところの火傷を作り、それが原因で病院に入れられてしまった。
焦凍「俺は、あんなクズの道具にはならねぇ。俺は左を使わずに1番になることで奴を完全否定する。」
私は耐えきれなくなって2人から離れた。
焦凍の声は、とても恐ろしかった。
それほど、父親に怒っているんだ。
それほど、左の個性を使いたくないんだ。
なのに、私は、
貴「なんて馬鹿なこと、言ったんだろ・・・。」
思い出すのはUSJへ行くときでのバスのこと。
焦凍の過去も、思いも、何も知らないくせに使わないといけなくなるとか、考えなしのことを言った。
私の考えの押し付けをしていただけだ。
爆豪「おい、待て。」
爆豪が私を追いかけて私の手首を掴んだ。
爆豪「あんまり気負いすぎんなや。」
貴「・・・・・分かってる。」
爆豪は確かあのとき私らの前の席に座ってたから聞こえていたんだろう。
クソを下水で煮込んだような性格って言われてるけど、全然違うと思う。
だってこんな風に声かけてくれる。
実は裏で凄い努力もしてる。
言動はちょっとあれだけど。
貴「ありがとう。」
こういうとき、深く聞かない優しさもある。
意外と良い人だ。
爆豪「飯行くぞ。ついてこい、方向音痴。」
貴「・・・はーい。」
このあだ名は本当にやめてほしいけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 357人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羽(プロフ) - ぷりんさん» ありがとうございます！バカみたいに長くなってますので、頑張って読んでください！コロナで外出出来ない今、暇つぶしになれば幸いです！ (2020年4月5日 21時) (
レス) id: da11f27698 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん(プロフ) - コメント失礼します！まだ少ししか見れていませんが、とても面白いです！これからも頑張ってください！！応援してます！ (2020年4月5日 20時) (レス) id: 063d3cfedf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羽 | 作成日時：2019年10月1日 23時
