78 「契約」 ページ36
no side
Aが目を開けると、そこは真っ白で何もない世界だった。
貴「ここは・・・？」
？「目が覚めたか。」
貴「お母様！？」
Aの前にはAの母親、契とそっくりな女性が立っていた。
？「私はお前にかかった「契約」が意思を持ったものだ。さぁ、私を殺せ。」
貴「そうすると解除出来るとでもいうの？」
契約「ああ。」
貴「・・・・・・殺したくない。私は、人を殺すことはしないと決めてるから。」
その瞬間、契約がカッと目を見開いた。
契約「訳が分からない！お前は自身を苦しめた私と母親を恨んでいないのか！？」
貴「恨めない。私を生んで育ててくれた人だし、貴女だって、私がこうやって生きれるように待っててくれたんでしょう？」
契約「どうしてだ！！私らはお前を傷付けた！」
契約はAを殴った。
Aは抵抗しない。
貴「でも、それ以上に貴女は私に私が愛されてたってことを教えてくれた。」
Aは今まで愛というものを感じたことがなかった。
母親には暴力を受けながら育ち、誰からの愛を感じることが出来なかった。
貴「不謹慎かもしれないけどね、私が倒れたり入院したりしたときに皆が凄い心配してくれたのが伝わった。
それが嬉しかったの。
私、愛されてた。
ずっとそんな風に思うことが出来なかった。
啓悟さんや麟、範太、人使なんかに告白されて、ビックリした。
自分がそういう風に見られてたってこと以外に自分がこんなに愛されてたってことに。
それを教えてくれたのは貴女が私の中にいてくれたお陰だよ。」
契約「ふざけるな！！死ぬんだぞ！」
貴「それは、嫌。死にたくない。生きるって皆に言った。」
契約「なのに私を殺さないとは矛盾している。」
貴「そうね。殺したくない。でも殺さないといけないのよね。
だから、これだけは言わせて
ありがとう。」
Aは個性で相手の生命力を弱めようとした。
せめて、苦しまないように。
契約「本当に・・・・・お前は、バカだな。」
契約は舌を噛んだ。
口から血が溢れ出す。
貴「何をしてるの！？」
契約「お前は本当に、バカな奴だな。
本当は私がお前を殺さなきゃいけないのに殺す気なんてなくなったよ。
お前に殺しもさせたくない。だから、私が死ぬ。」
貴「え・・・。」
契約「元気でな。頑張れよ。」
貴「・・・ありがとう。」
契約「さ、元の場所に戻れ。」
契約が消滅すると同時に辺りは光に包まれた。
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える(プロフ) - 一気に読んでここまで来ました！そして契約の個性が解除されたシーンで泣いちゃいました・・・！夢小説で泣いたのは初めてです。生きれることになって本当によかったです！！続編と番外編はこれから読みますっ。 (2021年2月8日 3時) (
レス) id: 49e70c19e1 (このIDを非表示/違反報告)
羽(プロフ) - ありささん» ありがとうございます！更新頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (2020年1月5日 6時) (レス) id: da11f27698 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - 続編おめでとうございます！夢主生きてぇぇーー!!めっちゃいい感じです、これからも更新ファイトです!!!! (2020年1月5日 1時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽 | 作成日時：2020年1月4日 16時
