・ ページ14
・
『ごはん、いらないな』
…でも、食べなきゃな。
夜になると泣きたくなる。
誰かさんと手を繋いで歩いた町並みに、
誰かさんとはしゃぎながら向かったコンビニに、
誰かさんが、私に告白してくれたあの公園に、
全てに泣きそうになる。
『そういえばコンビニのスイーツ新作出てたな』
食べることが好きな私は食べることでしかストレス発散方法を知らない。
身体が受け付けないのにカゴにはたんまりと食べ物が入っていく。
「1500円です〜」
普段コンビニで1000円超することがない私は少し驚いてしまった。
丁寧に店員さんに礼を言い、とある場所に向かう。
公園。
誰かさんに告白される時、彼は場所探しに必死だったな。
この公園も来たけどその時は人がいてダメだったんだっけ。
でも
い ま は 、 ひ と り ぼ っ ち だ よ 。
ベンチに腰かけ、先程買ったものを取り出す。
夜19:00。
『…甘ったる』
パンケーキ、なんか栄養取れそうなスティック状の甘いヤツ、コロッケとメンチカツ、どら焼き
買ったものを貪り食った。
ワイヤレスイヤホンから流れるのは失恋ソングたち。
泣こう。 誰かさんを忘れるために。
『彼の暇つぶしに付き合わされた気分』
『もうあの時には気持ちはなかったのかな』
抱いたくせに？
キスしたくせに？
『ああ、そうか』
私は、私のことが好きだった彼が好きだっただけ
"付き合いませんか"
グイッと右手をひかれて恋人繋ぎにされたあの夜
この結末を知った私がもう一度、
あの日に戻ったら私はその手を振り切ることができるだろうか。
分からない。分かりたくない。
誰か夜の散歩してる人に大丈夫ですかとか声を掛けられていたら変わったかもしれない。
声をかけて欲しかったのかもしれない。
それを望んで夜の公園に来たのかもしれない。
しかし思っている通りには物事は進んでいかない。
『私は、彼を傷つけなかった』
言いたいことを言わせて貰えないまま別れたから。
『私の方が、大人だった』
大抵の事は私が我慢すれば解決すると思っていたから
私が間違っていて、これが原因で別れたのなら
大丈夫、
いつかこの私を丸ごと受け止めてくれる人が現れるから
さぁ、帰ろう
早くうちに帰って、本でも読もう。
大丈夫 辛いのは今だけ。
私は、強い。
強すぎた。
強い振りをするのが、上手すぎた。
それゆえ周りが鈍感だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「すとぷり」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
颯桜(プロフ) - Hika??? ﾟさん» お久しぶりですー！！返信遅くなってごめんなさい🙇🏻♀️もちろん覚えてます！！お元気ですか！！😭 (2023年3月2日 4時) (
レス) id: f6025f27a2 (このIDを非表示/違反報告)
颯桜(プロフ) - ririさん» ありがとうございます🥲︎実は実体験を上手く組み合わせて(とはいえバニラエッセンスのように微量ですが)書かせて頂いてます🙇🏻♀️お褒め頂き幸いです！ (2023年3月2日 4時) (レス) @page15 id: f6025f27a2 (このIDを非表示/違反報告)
Hika??? ﾟ(プロフ) - 颯桜さん、お久しぶりです！覚えているでしょうか？新作が上がっているという事で読みに来ました！颯桜さんのお話本当に大好きです。続きも楽しみにしてます。 (2022年9月6日 0時) (レス) id: b218cadd07 (このIDを非表示/違反報告)
riri(プロフ) - 話の流れが好きすぎます、、 (2022年9月1日 1時) (レス) @page10 id: f694b20774 (このIDを非表示/違反報告)
颯桜(プロフ) - ふわちさん» コメントありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2022年8月29日 15時) (レス) id: f6025f27a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：颯桜 | 作成日時：2022年8月17日 15時
