番外編*呪術師と灰原 ページ47
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「A!」
『?あ、灰原』
教室でぼーっと、窓の外を眺めていた時、夏油先輩と任務へ行っていた灰原が帰ってきて、うきうきとした表情で入って来た。
七海は夜蛾先生のもとに行っていて空いている彼の椅子を私の隣に持ってきて座り込んだ灰原は、一つの袋を机の上に乗せた。
『これは…?』
「今日帰りにね、ケーキ屋さん寄ったんだ!夏油さんが五条さんとの勝負に負けて奢ることになったらしくて、」
『へぇ、五条先輩超甘党だしね』
「うん。それでね…せっかくだからと思って僕も買ったの、後で三人で食べよう!」
『そうだね』
子犬のような顔でそう言う灰原は、ふわふわとしていてどこかかわいらしい雰囲気を感じる。
どんなケーキを買ってきたのか、と聞く前に彼から話始め、袋から取り出したケーキの箱を開けた。中から出てきたのは、チョコケーキとモンブラン、そして──────
「──ショートケーキ!」
『わ、美味しそう』
*
「うん、このチョコケーキ甘すぎなくて美味しいです」
「よかった!モンブランも美味し〜〜」
七海が戻ってきてすぐ、待ちきれないといった様子の灰原を説得し、彼の部屋にお邪魔してケーキを食べ始めた。
このショートケーキも、生クリームが甘すぎず、さっぱりしているので重くない。一切れならすぐに食べきれそうだ。美味しい、と呟くとまた彼は嬉しそうに笑った。
「そういえば、なぜこのチョイスを?」
「んー、モンブランは僕が食べたかったからで、チョコは、七海甘すぎるもの苦手そうだなって思ったから、Aは…」
『…?私は、?』
「──────“イチゴ”かな!」
少々的外れなその返答に、フォークを進める手を止め、『え?』と聞き返した。
「ショートケーキ見たときにね、これだ!って思ったんだ。
…真っ赤なイチゴが、Aの目の色と同じだ!!綺麗な赤だなぁ、って」
『…、』
Aの目は、血の色じゃなくてイチゴみたいな、綺麗な赤だよ!と、屈託のない笑顔でそう言う灰原に、いやに惹きつけられた。
*
──────「好きな食べ物なに?」
──────『麺です。…』
──────「それ以外だったら?」
──────『そう…、ですね。強いて言うなら』
“イチゴ”です。
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ちあき(プロフ) - shionさん» 初コメありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!!続編までもう少々お待ちください!! (2022年9月29日 8時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 初コメ失礼します!!読んだら本当に止まらず、すっごく面白くて!!もっと早くに出会っていたかったですっ…!続編ずっと待ってます!! (2022年9月29日 1時) (レス) @page50 id: f0db8db4d6 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ttakedasaki0906さん» ありがとうございます!!そうですね、キッドさんも続編以降出せたらなとは思ってます!楽しみにしていて下さい!^^* (2022年9月28日 16時) (レス) id: 1ed832ee63 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - ローの独占欲が最高すぎてニヤニヤしちゃいます笑!!キッドも好きなのですがキッドは登場予定はありますか!?(≧∀≦) (2022年9月28日 0時) (レス) @page50 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - きゃーぽんさん» わあ、、出会ってくれてありがとうございます!!頑張ります! (2022年9月27日 11時) (レス) @page34 id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2022年9月22日 18時