番外編*呪術師と七海 ページ46
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『…七海さ、メイド服とか着ないの』
「貴女開口一番何を言うんです??」
朝、談話スペースで灰原を待っていた時、そういえば今日夢にメイド服着た七海が出てきたことを思い出し、前置きを何もかもすっ飛ばしてそんなことを聞いた私。
案の定とても冷めた目線を寄越した七海に、ガチトーンで「熱は…なさそうですね」と額に手を置かれた。
『…人の正気を疑うの失礼じゃない?』
「よりにもよって貴女がそれを言いますか」
ぼーっと、ソファの背もたれに寄りかかり、横に座る彼を見て夢を思い出す。
詳しい内容は覚えてはいないが、とにかく似合っていたことは覚えている。それを見て灰原がペンライトを振って「きゃ〜〜〜!!七海〜〜!!!」と騒いでいたんだよ、と言えば、「野郎のメイド服で興奮する野郎の話とか聞きたくないですやめてください」ととても早口で言われた。
七海、全体的に線も細いし、足も長くてスタイルがいいから、メイド服に限らず、女性ものの服でも普通に似合うと思うんだけどなぁ…と、呟く。
『今度着てみない?五条先輩たちがこの間着てたけど、サイズ合わなくてパッツパツだったの見たよ』
「私の男としてのプライドをぶち壊すのが好きなんですか?」
『…メイクとヘアアレンジは許容範囲でしょ』
「……まぁ、よく見たらかなり似合ってはいました」
『うッ゛ふふふ…、ッいった…暴力反対』
先日七海をイメチェン(本人未許可)をしたときの記憶が蘇ってきて、思わず笑ってしまった。
彼の容赦ない拳骨を喰らった私は、後頭部を抑えながら七海を睨みつけた。はぁ、と小さく溜息を吐いて、じっとこちらを見て言った。
「そのような格好は、Aの方が似合うと思いますよ。まぁ、私としてはチャイナ服あたりでもいいと思います」
『七海の性癖えぐ……』
まさかの暴露に一瞬マジでドン引きしてしまい、すっと距離を取った。「冗談です」なんて言っていたけれど、目がガチだったの私は一生忘れない。
*
「ごめん七海、A!お待たせ!」
やっと合流した灰原と三人で、学校へと歩き出す。
「そういえば今日、七海がメイド服着て出てくる夢見たよ!」
『ハァ゛ッ⤴』
「殺す」
「え、何で!?」
しばらく七海に他人行儀な態度を取られることになった。
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ちあき(プロフ) - shionさん» 初コメありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!!続編までもう少々お待ちください!! (2022年9月29日 8時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 初コメ失礼します!!読んだら本当に止まらず、すっごく面白くて!!もっと早くに出会っていたかったですっ…!続編ずっと待ってます!! (2022年9月29日 1時) (レス) @page50 id: f0db8db4d6 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ttakedasaki0906さん» ありがとうございます!!そうですね、キッドさんも続編以降出せたらなとは思ってます!楽しみにしていて下さい!^^* (2022年9月28日 16時) (レス) id: 1ed832ee63 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - ローの独占欲が最高すぎてニヤニヤしちゃいます笑!!キッドも好きなのですがキッドは登場予定はありますか!?(≧∀≦) (2022年9月28日 0時) (レス) @page50 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - きゃーぽんさん» わあ、、出会ってくれてありがとうございます!!頑張ります! (2022年9月27日 11時) (レス) @page34 id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2022年9月22日 18時