番外編*呪術師と日常 ページ45
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某月某日、高専の寮内。
今日は私と灰原の二人で任務に赴き、思いのほかあっさりと祓えたことで時間に余裕ができたため、コンビニでスイーツを買って帰って来た。
寮内の談話スペースまで来ると、ソファに七海が一人座っていた。光の速さで彼の元へ行った灰原は、七海の顔を覗き込んで固まった。
「A…!七海、寝てる」
『…!!』
彼を起こさないよう、小さな声で言った灰原にぐ、と親指を立て、素早く自室に戻りあるものを手に戻って来た。
『灰原、髪お願い』
「任された!」
す、とコームと小さなヘアゴムを手に構えた灰原は、妹にやるような、優しい手つきで七海の前髪を編んでいく。
私も化粧品を手に、七海を起こさないよう丁寧に目元を彩っていく。彼はハーフだから、薄くで良いだろう。
「三つ編み七海」
『ナチュラルテラコッタメイク七海』
上を向いて寝る七海の、完成された顔と髪を見てみる。
…うん、美人。鼻高いし、唇も薄くて、化粧映えする顔。…羨ましい。私の微々たる感情を読み取ったのか、灰原が「Aは純日本人って感じの顔立ちだから、七海とは違ったタイプの化粧映えする美人さんだね!」と、にっこり。
…?紳士か。
「…それより、…」
『うん』
七海の顔を見て、声が重なる。
──────「『予想以上に似合いすぎて逆に笑えてくる』」
「…フッ」
『……ふふ、』
とりあえず携帯を取り出して何枚かカメラに納める。
ふと、目を冷ました七海と目が合った。静かに起き上がり、改めて対面した瞬間、私たちはついに耐え切れなくなった。
「…ン゛ッフ…七海、ななみ、…ッあっはははははは!!…はッハァ⤴」
『あッ゛…ウ゛ッ、んッははは…は、アッハ⤴』
床に蹲り、二人一緒に大爆笑しながら七海にはい、と撮った写真を見せた。
『んふ、七海、にあってる…似合ってるよ…ッ』
「三つ編みかわいいッ…あっは、」
「…………」
ふと、殺気を感じた。笑いすぎて滲み出てきた涙を拭いながら、七海の方へと顔を向ける。
「……貴方たち、」
『…灰原逃げるよ』
「了解!!」
「──────待て!!!」
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ちあき(プロフ) - shionさん» 初コメありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!!続編までもう少々お待ちください!! (2022年9月29日 8時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 初コメ失礼します!!読んだら本当に止まらず、すっごく面白くて!!もっと早くに出会っていたかったですっ…!続編ずっと待ってます!! (2022年9月29日 1時) (レス) @page50 id: f0db8db4d6 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ttakedasaki0906さん» ありがとうございます!!そうですね、キッドさんも続編以降出せたらなとは思ってます!楽しみにしていて下さい!^^* (2022年9月28日 16時) (レス) id: 1ed832ee63 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - ローの独占欲が最高すぎてニヤニヤしちゃいます笑!!キッドも好きなのですがキッドは登場予定はありますか!?(≧∀≦) (2022年9月28日 0時) (レス) @page50 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - きゃーぽんさん» わあ、、出会ってくれてありがとうございます!!頑張ります! (2022年9月27日 11時) (レス) @page34 id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2022年9月22日 18時