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『──────⋯⋯』
ぼんやりと意識が浮上してきた。
ずきずきと痛む頭、重怠い身体、寒気がして、⋯あぁ、熱か。と冷静に判断した。
まだ霞む視界に入り込んできたのは見知らぬ天井と、人影。顔がよく見えないけれど、「起きたか」と言う低くて心地良い声が───
『⋯⋯な、なみ⋯？』
「⋯」
その人影はゆっくり座り直し、布団をかけ直してくれた。⋯違う、七海じゃない。
彼は、こういう時いつも開口一番に「大丈夫ですか」と声をかけてくれるんだった。
⋯⋯また、眠気が襲ってきた。
「⋯まだ寝てろ」
その声を最後に、再度目を閉じた。
＊
『──ッけほ、』
次は自分の咳き込む音で目が覚めた。
さっきよりもはっきりした視界に映ったのは先ほどと変わらない天井。また軽く咳をして、だいぶ楽になった身体を起こし───
──────ぽふり、
『わ、』
「まだ寝てろと言った筈だ。大人しくしてろ」
帽子を被り、刀を担いだ男性がこちらを見下ろしながらそう言った。彼の手によって再度布団に寝かされた私は、まだ少し痛む頭に眉を顰める。
枕元に腰掛け、額に手を当てた彼は「まだ少し熱いな⋯」と呟いて違和感はあるか、と触診を始めた。
⋯そういえば、任務中だった。怪我もしていたような気がしたし、それの確認だろう。特にない、と小さく呟けば、大きくて、温かい手は離れていった。
「とりあえず今日一日安静にしておけ。⋯クルーに病食を持ってこさせるから、それを食ったら汗拭いて寝ろ」
『⋯⋯ゎ、かり、ました⋯』
目にかかった前髪を指先で払ってくれた彼は、そのまま部屋を出て行った。
『⋯ここ、どこだろ』
薬品の匂いがするから医務室だということはわかるけど、さっき、“クルー”───恐らく船員だろう───と言っていたこと、それから少しの揺れを感じることから、ここは船の上、だろうか。
“──────願うことなら、目を覚ました先に七海と灰原がいますように”
その願いは叶わなかった。⋯となると、私は彼の術式によって“二次元”に飛ばされてしまったということだろう。
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ちあき(プロフ) - shionさん» 初コメありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！！続編までもう少々お待ちください！！ (2022年9月29日 8時) (
レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 初コメ失礼します！！読んだら本当に止まらず､すっごく面白くて！！もっと早くに出会っていたかったですっ…！続編ずっと待ってます！！ (2022年9月29日 1時) (レス) @page50 id: f0db8db4d6 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ttakedasaki0906さん» ありがとうございます!!そうですね、キッドさんも続編以降出せたらなとは思ってます！楽しみにしていて下さい！^^* (2022年9月28日 16時) (レス) id: 1ed832ee63 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - ローの独占欲が最高すぎてニヤニヤしちゃいます笑！！キッドも好きなのですがキッドは登場予定はありますか！？(≧∀≦) (2022年9月28日 0時) (レス) @page50 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - きゃーぽんさん» わあ、、出会ってくれてありがとうございます！！頑張ります！ (2022年9月27日 11時) (レス) @page34 id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちあき | 作成日時：2022年9月22日 18時
