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海に飛び込み、沈んでいるという人を引き上げるために下の方へと潜水していく。
基本的に人は水に浮くことができる。──能力者を除けば、だ。
沈んでいるということはその人は能力者である可能性が高い。もしかしたら単純に泳げないだけかもしれないが。
とにかく、船長命令である以上助けなければ。目の前で死なれても後味悪いし。
「──────ッ、！！」
『！』
少し泳ぐと、酸素を吐き出したような音が聞こえ、そちらに意識を向ける。
そいつは右腕を伸ばして、何かを掴むように手を握り締める。何故かはわからないが、この手を取り逃したら俺は一生後悔するような気がして、手繰り寄せるようにしてその手を掴んだ。
思い切り引っ張り、左腕で背を支えるように抱きかかえる。手の小ささと、身体の薄さ、細さに違和感を覚えた。
──────こいつ、女？
危険性がないとは言えないが、女だとわかった瞬間ぞ、と寒気が強まった。自分の息もそろそろ持たなくなるため急いで水面に上がった。
顔を出した瞬間、勢いよく水を吐き出し、そのまま気を失ってしまった。
『おい、おいアンタ大丈夫か！』
「ペンギン、タオル持ってきた！」
『あぁ、ありがとうイッカク』
船員からタオルを受け取り、上着を脱がせて身体を拭いてやる。フードの中から出てきた黒髪に水滴が伝って、思わず綺麗だ、と息を呑んだ。
足と口元には傷があり、血が滲んでいた。
ある程度水気を吸ったタオルを再度イッカクに渡し、自分のつなぎを絞り女を横抱きにする。
「──ッ、は⋯」
小さく、荒い息を短い間隔で繰り返す。
額に手を乗せたシャチが「酷い熱だ、」と呟いた。船長の方の準備も終わっているだろう、と医務室へ急いで足を運ぶ。
「──そいつか。⋯そこ寝かせろ」
『はい、⋯足と口元に傷と、あと熱が』
「わかった」
ベッドに横たわらせた後、キャプテンが能力を使って患者服に着替えさせ、濡れた服を俺の手に持たせた。
「洗っておけ」と言ってそのまま俺を医務室から閉め出した。
人使い荒いなァ⋯
慣れたことに苦笑を漏らす。命に別状はなさそうで安心したが、かといって警戒を解いてはいけない。
まぁ、何かあってもキャプテンがいるし大丈夫だろ、と結論付け、服を洗いに行った。
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ちあき(プロフ) - shionさん» 初コメありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！！続編までもう少々お待ちください！！ (2022年9月29日 8時) (
レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 初コメ失礼します！！読んだら本当に止まらず､すっごく面白くて！！もっと早くに出会っていたかったですっ…！続編ずっと待ってます！！ (2022年9月29日 1時) (レス) @page50 id: f0db8db4d6 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ttakedasaki0906さん» ありがとうございます!!そうですね、キッドさんも続編以降出せたらなとは思ってます！楽しみにしていて下さい！^^* (2022年9月28日 16時) (レス) id: 1ed832ee63 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - ローの独占欲が最高すぎてニヤニヤしちゃいます笑！！キッドも好きなのですがキッドは登場予定はありますか！？(≧∀≦) (2022年9月28日 0時) (レス) @page50 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - きゃーぽんさん» わあ、、出会ってくれてありがとうございます！！頑張ります！ (2022年9月27日 11時) (レス) @page34 id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちあき | 作成日時：2022年9月22日 18時
