呪術師とロー ページ27
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「──おい、A。付き合え」
『?…はい』
浜辺でシャチさんとペンギンさんがじゃれあって…?いるのをぼーっと見つめていると、後ろから船長さんに声をかけられた。
二人に一言断ってから行こうと思ったが、「気にしなくていい」と言われ腕を引かれたので、されるがままに彼に着いて行った。
「キャプテン〜〜!?!!」と、後ろから聞こえる叫び声はとても情けなく聞こえた。
*
『あの、
「あァ、その前に“ビブルカード”を作りに行く」
『びぶる、カード…?』
「正確には作る依頼をしに行く」
自分の爪の欠片や、髪の毛を一本提供することで作られる特別な紙。それは別名“命の紙”と呼ばれているらしい。これがあれば渡した人は私の居場所を把握することができるらしい。
ただ、この島では作れる職人さんがいないため、人を介して依頼をしなければいけないとのことだ。
爪は…切ってしまったから髪かな。ぷち、と一本取り、袋に入れて差し出した。船長さんの名前で依頼するらしいから、実際出来上がって届くのは船長さんの船だ。
その時に私がいるかはわからないが。
『…ありがとうございます』
「あぁ」
そのまま船に戻るのか、と思いきや、すぐ近くにあったアクセサリーショップに入って行った。
ちょこちょこと後ろをついて回り、彼が一つ、何か手に取った。──────ピアス?
それを私の右耳に添えて、「いいな」と呟いた。
「お前左右に開けてんだろ。一つ増やしたってどうってことねェよな?」
『…まぁ、そう、ですね』
左右に一つずつつけてあるピアスに触れる。だいぶ馴染んできたし、いつだか硝子先輩に「もう一つくらい開ければ?」と言われたのを思い出した。
はい、と頷けば、よし、と笑ってそのまま会計を済ませた船長さん。
『え、あの』
「気にすんな。俺が付けてやる、何かあった時以外取るんじゃねェぞ」
ニヤリと笑みを浮かべる船長さんの大きな手に光る小さなピアス。
シルバーのハートの中に、小さくピンクタンザナイトの宝石が埋め込まれている。タンザナイトは12月の誕生石だが、それを知っていたのだろうか。
──────船に戻ったら開けてやるよ。そう言った彼の表情は色気に溢れていて、不覚にも一瞬、見惚れてしまった。
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ちあき(プロフ) - shionさん» 初コメありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!!続編までもう少々お待ちください!! (2022年9月29日 8時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 初コメ失礼します!!読んだら本当に止まらず、すっごく面白くて!!もっと早くに出会っていたかったですっ…!続編ずっと待ってます!! (2022年9月29日 1時) (レス) @page50 id: f0db8db4d6 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ttakedasaki0906さん» ありがとうございます!!そうですね、キッドさんも続編以降出せたらなとは思ってます!楽しみにしていて下さい!^^* (2022年9月28日 16時) (レス) id: 1ed832ee63 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - ローの独占欲が最高すぎてニヤニヤしちゃいます笑!!キッドも好きなのですがキッドは登場予定はありますか!?(≧∀≦) (2022年9月28日 0時) (レス) @page50 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - きゃーぽんさん» わあ、、出会ってくれてありがとうございます!!頑張ります! (2022年9月27日 11時) (レス) @page34 id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2022年9月22日 18時