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「──しつこい男は好かれません」






ぐり、と倒れこんだ男の背中に右足を乗せ「それと…」と呟きながらこちらに目をやった。

周りで見物していた野次馬どもが彼女の勇姿に拍手を送る。それを無視し、俺の目の前まで歩いてきた。






「あの、彼、私の連れなので…」


「…へ、え、あの……ご、ごめんなさぁあい!!!」






彼女にじっと見つめられて、いたたまれなくなったのか、大きな声で謝罪を口にしながら走り去っていってしまった。え、足早くね。

そのままするりと俺の手からアイスを取り、溶けかけた部分を舐めた。「イチゴが好きだって、覚えててくれたんですね」と言って薄く微笑んだ。



──────あァ駄目だ、その顔で俺を見つめるな。






『……野蛮だな』


「…すみません、」


『別に、俺はそっちの方が、』






ぐ、と、唇を噛んで喉まで出かけた言葉を飲み込んだ。






『そろそろ船戻るか。荷物置いて、酒場で集合…あぁでもその前にキャプテン起こさないと、ぜってぇ寝てる…』


「…はい」






船に戻るまでの道中、サングラスを外してその端正な顔を曝け出している彼女へ向けられる視線は先ほどよりも多くなっている。

──────……気に食わないなァ



そっとAの腰に手を回して、こちらに引き寄せる。驚いた素振りも見せず、されるがままの彼女に、妙に心がかき乱された。













『──じゃ、準備できたら外で待ってろ』






船に戻り、荷物を整理させるために一度別れ、船長室へ向かう──────前に「おい」と声をかけられ立ち止まった。

角の壁に、キャプテンとシャチが並んでもたれかかっていた。






「よォペンギン。監視はどうだ?」


「ペンギンく〜ん、デート楽しかったですか〜??」






この二人の前で自分を偽ることなんてできず、思わず帽子を下げ、顔に押し付けた。くぐもった声が船内に響く。






『…もう、無理だ』


「?それは、どういう…?」


『監視はもう、しない』


「──…惚れたか」


『!!』






キャプテンの口から飛び出た言葉に肩を震わせ、ぐ、と帽子を掴む手に力が入る。

顔どころか、耳の方まで熱が集まる。何も言わない俺に「あ、マジで?」とシャチの動揺する声が聞こえた。






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ちあき(プロフ) - shionさん» 初コメありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!!続編までもう少々お待ちください!! (2022年9月29日 8時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 初コメ失礼します!!読んだら本当に止まらず、すっごく面白くて!!もっと早くに出会っていたかったですっ…!続編ずっと待ってます!! (2022年9月29日 1時) (レス) @page50 id: f0db8db4d6 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ttakedasaki0906さん» ありがとうございます!!そうですね、キッドさんも続編以降出せたらなとは思ってます!楽しみにしていて下さい!^^* (2022年9月28日 16時) (レス) id: 1ed832ee63 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - ローの独占欲が最高すぎてニヤニヤしちゃいます笑!!キッドも好きなのですがキッドは登場予定はありますか!?(≧∀≦) (2022年9月28日 0時) (レス) @page50 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - きゃーぽんさん» わあ、、出会ってくれてありがとうございます!!頑張ります! (2022年9月27日 11時) (レス) @page34 id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちあき | 作成日時:2022年9月22日 18時

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