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何だかんだで昼食の時間となった。
船員さんに言われるがままダイニングの方へ行くと、船長さん以外が席に着いて各々食事をしていた。なんか、入りにくいな⋯と遠慮がちに立ち止まっていると、視界の端で手をちょい、と動かすシャチさんが見えた。
彼の傍に行くと、ここ座れよ、と隣を指差して言った。しかも私の分の食事まで持ってきてくれていたようで、お礼を言いながら椅子に腰掛けた。
『⋯いいんですか、隣』
「おー、いいのいいの。久しぶりの女だからなぁ、いるだけで癒されるわ」
『?女性の船員さんもいると聞いていますけど⋯』
「あー、イッカク。それとこれとは別な。アイツはそそられねェ」
「──悪かったね!!」
「い、ッてェ!!」
さっとシャチさんの後ろに立ったイッカクさんは彼の頭に思い切り拳骨を落として去って行った。
後頭部を抑え、うぅ⋯と唸るシャチさんを横目に頂きます、と呟いて昼食に手を付けた。⋯美味しい。ちなみに今日はオムライスだ、灰原が喜ぶだろうな。
目の前にペンギンさんが座ったのを確認したと同時に、復活したシャチさんが口を開いた。
「Aだっけ、なんでフード被ってんだ?顔見えねェ」
『あー⋯この方が戦いやすい、から、ですかね』
「戦う、⋯えッ」
俺ら殺され⋯?ないですね。だよな!なんて、コントのようなやり取り。
私たち呪術師は呪いを祓うことが最優先。呪詛師は基本身動きが取れないようにし、後は上の人たちに任せている。人を殺したことは、まだ、ない。
⋯けど、いつか“そういうこと”をするようになっていくんだろうな。彼らは海賊のようだし、私よりは手慣れているんだろう。
全員からというわけではないが、そんな雰囲気を感じる。
──────船長さんはともかく、この二人は特にだ。
無意識なのかはわからないが、距離の取り方が他の船員さんたちよりしっかりしている。
仮に私が何か攻撃をしたとしても、急所は必ず外れる距離。今は座っているから近いが、逃げ道の確保すらさせないようにしている。
『⋯そこまでしなくても、貴方達に害を加えるつもりはないです。信じなくてもいいですけど』
「⋯⋯ひゅ〜、バレてた」
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ちあき(プロフ) - shionさん» 初コメありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!!続編までもう少々お待ちください!! (2022年9月29日 8時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 初コメ失礼します!!読んだら本当に止まらず、すっごく面白くて!!もっと早くに出会っていたかったですっ…!続編ずっと待ってます!! (2022年9月29日 1時) (レス) @page50 id: f0db8db4d6 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ttakedasaki0906さん» ありがとうございます!!そうですね、キッドさんも続編以降出せたらなとは思ってます!楽しみにしていて下さい!^^* (2022年9月28日 16時) (レス) id: 1ed832ee63 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - ローの独占欲が最高すぎてニヤニヤしちゃいます笑!!キッドも好きなのですがキッドは登場予定はありますか!?(≧∀≦) (2022年9月28日 0時) (レス) @page50 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - きゃーぽんさん» わあ、、出会ってくれてありがとうございます!!頑張ります! (2022年9月27日 11時) (レス) @page34 id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2022年9月22日 18時