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ふと、呼吸がしやすくなった。

夜更かしを控えても治ることのなかった倦怠感も、まるでなかったかのように消え去った。思わず首元に手を添えて『軽い⋯』と言葉を漏らした。






「⋯因みに、貴方や船員さんたちに憑いてるだけじゃなくて、この船の中全体的に蔓延ってますよ。放っておいても無害なのもいますけど、このままだと成長して害を及ぼすかもしれないのもいます。

──どうです?体感してみて。案外役に立つでしょう?」


『⋯⋯はッ。いいぜ、ここに置いてやる。全快したらこれでもかってくらいこき使ってやるよ』


「!⋯ありがとうございます。精々使い倒してください。⋯あぁでも、夜のお相手はちょっと無理ですね」


『⋯あァ、あいつらにはしっかり言いつけておく』






というか、今日は医務室から出てないが、なぜ船全体にいることがわかった?と、身じろいでズレた布団を直しながら問いかけた。

目がいいので、と少し含みのある言い方をされたがそこも踏み込んで欲しくないんだろう。そうか、と返事をして近くの本棚から医学書を取り出した。






『⋯俺はここで本を読んでる。寝るなら寝ろ、何かあれば声をかけて構わない』


「⋯⋯だいぶ寝ました。寧ろ目が冴えてます。⋯何か本、読みたいです」


『医学書くらいしか置いてねェぞ』






するとまだ少し重そうに身体を起こしたAは、本棚の前にゆっくり歩いてきて、一冊の本を取り出した。

───悪魔の実図鑑






『そんなんでいいのか』


「はい。⋯私の故郷、こういうのないので」


『そうか』






それから俺たちの間に会話はなかった。

サイドテーブルの水も自由に飲んでいるようだし、何より図鑑を見ることに集中しているようだ。時々水の補給と俺の飲み物を持ってくるペンギンやシャチが「うわ⋯」とか情けない声を発していたが、それも無視した。





──────何故かはわからないが、この沈黙が心地良いと感じていた。






偶然拾った命。

安全だと明言できるわけではないため、常に警戒をしておく必要はあるが、まぁ、かといってすぐに何か行動を起こそうという思いも感じられない。


ほんの少し、警戒心を緩めた。






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呪術師とペンギン→←・



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ちあき(プロフ) - shionさん» 初コメありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!!続編までもう少々お待ちください!! (2022年9月29日 8時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 初コメ失礼します!!読んだら本当に止まらず、すっごく面白くて!!もっと早くに出会っていたかったですっ…!続編ずっと待ってます!! (2022年9月29日 1時) (レス) @page50 id: f0db8db4d6 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ttakedasaki0906さん» ありがとうございます!!そうですね、キッドさんも続編以降出せたらなとは思ってます!楽しみにしていて下さい!^^* (2022年9月28日 16時) (レス) id: 1ed832ee63 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - ローの独占欲が最高すぎてニヤニヤしちゃいます笑!!キッドも好きなのですがキッドは登場予定はありますか!?(≧∀≦) (2022年9月28日 0時) (レス) @page50 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - きゃーぽんさん» わあ、、出会ってくれてありがとうございます!!頑張ります! (2022年9月27日 11時) (レス) @page34 id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちあき | 作成日時:2022年9月22日 18時

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