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まるさんかくしかく ページ8

「いらっしゃいませ〜!」

店の中に明るい声が響き渡る。昨日と変わらない姿でAちゃんはパタパタと、入り口までかけてくる。

「何名様ですか…あっ!善逸さん?」

ぎゅ、と俺の手を握り微笑む。来てくれたんですね!って、その笑顔が眩しい。
そのまま手を引かれ、席へ案内される。何これサービスですか???手を握ってもらえるのは俺限定だよね?いや、俺限定であれ…

「早速来てくれたんですね!嬉しいなぁ…あ、注文どれにしますか?私のおすすめはですね〜…」

「じゃあそれにしようかな!」

品書きを暗記しているのか、楽しそうに一つ一つ料理を説明してくれる。俺の注文をとったAちゃんは、楽しみにしていてくださいね!と胸を張り、店の奥へ戻っていった。

店の中には、客が多くいて、中々に繁盛しているようだった。そりゃあ看板娘があんなに可愛いんだもの……
Aちゃんは、あちこちで注文を受け、料理を運び忙しなく動き回る。あわよくばお喋りできたら…と思って来たが、生憎それは難しそうだった。

どれだけ忙しそうでもAちゃんは、人懐こい笑顔を絶やさなかった。それを見てるだけで、心が温かくなる。毎日通う。そう決めた。

「お待たせしました〜!はい、唐揚げ定食!女将さん自慢の味!」

Aちゃんの微笑みと共に、目の前にお盆が置かれる。こんがりキツネ色に揚がった唐揚げと、ツヤツヤ光る白いご飯、お椀の中の味噌汁からは、白い湯気が上がっている。

ごくり、涎を飲み込む。腹の虫が鳴ったのを聞いた。

「いただきます!」

一口唐揚げに食いつくと、中から肉汁が溢れ出す。
外の衣はサクサクしていて、中の鳥ももは柔らかい。これはAちゃんがオススメするのも分かる。

そして、味噌汁。これがまあ〜〜〜美味しいこと!薄すぎず、しょっぱすぎず…そして俺の好きな白味噌!油揚げ!わかめ!お腹の中が、じんわり温まっていく。何だかホッとする味だ。
可愛いAちゃんも見れて、美味しいご飯も食べれて…控えめにいって超最高!

「全部食べてくれたんですね!」

あっという間に平らげてしまった皿を、Aちゃんが下げに来る。

「うん、御馳走様!すっごく美味しかったよ!」

Aちゃんは良かった!と、無邪気な声で笑ってそれから、こっそり耳元で囁いた。

「実は、あのお味噌汁私が作ったんです。お口にあいましたか?」

その言葉を聞いて目の前がクラクラした。君の味噌汁が毎朝食べたい!そう叫びたかった。

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mahiro - 凄く面白いお話!善逸君大好きなのでありがとうごさいます!!頑張って下さい!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!! (2019年12月20日 16時) (レス) id: ba7c98e06b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空岡 | 作成日時:2019年11月23日 21時

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