優しい体温 ページ2
「えっ!?」
「頼むよ〜ッ!結婚してくれよ〜〜ッ!!!」
困惑した様子で狼狽る彼女の足元にすがりつく。
これは運命なのだ。ここで彼女と結婚できなければもう一生1人で寂しく生きるしか無いような気さえしてきた始末。
「ワァッ!落ち着いてくださ…!」
「落ち着いてなんか居られないよ!!俺は今からこの先の村で鬼狩りの任務なんだよぉ〜!きっとそこで死んでしまうから、ここで結婚しなきゃいけないんです!!!!ハイって頷くだけでいいから!ね!?」
俺から身を捩って逃れようとする女の子を、離すものかと、泣きながら彼女の腰辺りにしっかりと抱きつく。
今回ばかりは殴られたって離さないぞ…!じいちゃんのビンタにどれだけ耐えたと思っているんだ…!この子が頷くまで半日でも1週間でもこの場で粘ってやるんだ…!
そこで、視界の端で彼女の腕が持ち上がるのを見た。
殴られる…!?目をギュッと瞑って次に来る衝撃を待ち構える。
しかし、いつまで経っても彼女の掌が俺の頰に振り下ろされる事は無く、その代わりに掌は、そっと優しく目元へあてがわれた。
「ヒャッ!?」
「もしかして…泣いていらっしゃるのですか…?」
突然のことに情けない声が出るが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
だだだだだって…!!!!!女の子の!こんなに可愛い女の子の手が!細い指先が!!!俺の涙を拭ってる………!?!?!?
犬みたいに浅い息を繰り返す俺を気にするそぶりも無く、女の子は懐から手拭いを取り出す。
そしてその子は俺にグッと顔を寄せてきた。
「ワ〜〜!?!?!?!?」
ウソウソウソ!?嘘でしょ!?!?こんなに可愛い女の子が!?!?
ハアッ!?駄目!近すぎるよ!!!ゼロ距離の女の子は心臓に悪すぎる!!!アッ凄い良い匂い…
良いんですか神様…
俺、やっぱりこの任務で死ぬんじゃないかな…?
その子は取り出した手拭いで俺の目元をポンポンと優しく拭う。
しかし、何故か女の子の手つきは少しぎこちなく感じた。なんだか、まるで探るような手つき。
俺は不思議に思い、その子を見上げると、彼女の目はぴったり閉じられたままであった。
「落ち着きましたか?」
「あ!ありがとう…もしかして君は………目が?」
思わずその言葉が口から零れ落ちてしまった。
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mahiro - 凄く面白いお話!善逸君大好きなのでありがとうごさいます!!頑張って下さい!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!! (2019年12月20日 16時) (レス) id: ba7c98e06b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空岡 | 作成日時:2019年11月23日 21時