46話 ページ48
「ふーっ!」
汗を垂らしながら私達三人は、木のてっぺんまで登り切った。
皆、満足気な表情。
自分の力でここまで来れたことにどうしようもなく嬉しく感じる。
「帰るか。」
うちはくんも汗を流している。
皆、ボロボロだ。
特にナルトはもう、歩きにくそうにしていた。
「ナルト…しょうがないなぁ。」
私はナルトの腕を肩にかける。
「悪ーィな、A。」
でも、私も限界まできているから少しキツイな…。
「……A。手伝う。」
うちは君がナルトのもう片方の腕を肩にかけてくれる。
案外優しいなぁ。
「ありがと。サスケく…あっ、うちは君。」
「いーよ、サスケで。」
そっぽを向きながらぶっきらぼうに言うサスケくんは少し子供っぽかった。
「へへへっ!!」
ナルトの嬉しそうに笑う姿を見て私達も自然と笑顔になった。
扉を開けると、皆は夕食を食べていた。
「おう!今帰ったか!」
「へへ…三人ともてっぺんまで登ったぜ…。」
「よし!ナルト、サスケ、A。
明日からお前らもタズナさんの護衛につけ。」
やった!!
にしても……早くお風呂に入りたい。
「フー、ワシもドロドロのバテバテじゃ。」
「ナルト君もお父さんもあまり無茶しないでね!」
ツナミさんのこういう所を見ると、やっぱりお母さんって感じだなぁ。
そんなことを思っていると、ガタッとテーブルが少し揺れる。
「なんでそんなになるまで必死に頑張るんだよ!!
修行なんかしたって、ガトーの手下には敵いっこないんだよ!!
本当に強いやつの前では弱いやつはやられちゃうんだ!!」
年下とは思えない迫力に私達は言葉を失う。
1人を除いて。
「うるせーなァ。お前とは違うんだってばよ。」
「お前にボクの何が分かるんだ!!
辛いことなんか知らないでヘラヘラしているお前とは違うんだよォ!!」
……違うんだよ。
辛いことはナルトが一番分かってるんだよ、イナリ君。
「お前みたいなバカはずっと泣いてろ!!泣き虫ヤローが!!」
イナリ君に負けない迫力で睨みつけたナルトは、怖かった。
今までで一番、厳しかった。
「ナルト……。」
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作者名:ソーダラムネ | 作成日時:2018年11月18日 23時