【NARUTO】いやだから……… (ページ46)

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44話ページ46

「イナリくん、どうしたっていうの？」

サクラちゃんが気まずそうな顔で言う。

「イナリには、血の繋がらない父親がいた。でも、本当の親子のようでの…あの頃のイナリは本当によく笑う子じゃった。」

そこで、タズナさんが震えて涙を流した。

怒りのような、悲しみのような声で言った。

「しかし、イナリは変わってしまったんじゃ。
父親のあの事件以来……。」

あの事件？

＿＿＿カイザさんといって、夢を追い求めこの国へ来た漁師がいたそうだ。

カイザさんはイナリくんに大切なことを教えた。
それ以来、懐くようになったそうだ。

物心つく前から父親をなくしていたイナリくんにとってカイザさんが家族の一員になるのにはそう時間はかからなかったそう。

そしてカイザさんは一人で川の流れをとめ、いつしか英雄になった。

でも、ガトーが来て、カイザさんは公開処刑されてしまった＿＿

そっか、イナリくんは助けたいと思っても助けられなかった。

そんな小さいうちから助けてもらえないことを知ったらそりゃあ、ヒーローなんて信じない。

重たい空気の中一人だけ席を立つ。

「このオレがこの世に英雄がいるってことを証明してやる!!」