【NARUTO】いやだから……… (ページ40)

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38話ページ40

動けないでいると、ナルトが立ち上がって再不斬の方へ走っていった。

「ナルト!?」
ナルトはすぐに跳ね返される。

勝ち目なんてないのに……。
大丈夫かな。

すると、ナルトは立ち上がった。
額当てを持って。

額当てを取り返しに行ったのか。

そしてナルトが、弱々しく、でも芯の通った声で強く言った。

「おい…そこのマユ無し。

お前の手配帳に新しく載せとけ！

いずれ木ノ葉隠れの火影になる男

木ノ葉流忍者！
うずまきナルトってな!!」

額当てをギュと結んで力強く言っていた。

何か、頼もしい……。
安心感が出てきた。

ナルトなら何か起こせそうな気がして。

「さーて、暴れるぜ!!」

「オレが捕まった時点でもう白黒ついている。
お前達の任務はタズナさんを守ることだ!!それを忘れたのか？」
カカシ先生が必死に言う。

忘れてなんかいない。
忘れるはずもない。
今は、その事で頭がいっぱいだ。

でも……。

「タズナさん……。」
首をタズナさんにむける。
「なぁに……元わといえばワシがまいたタネ。この期に及んで超命が惜しいなどとは言わんぞ。
すまなかったな。お前ら……思う存分に闘ってくれ。」

タズナさんはニカッと笑い返してくれた。

私達は、再不斬に自信の笑みを向ける。

「クックック……オレぁよ…お前らくらいのの歳にゃこの手を血で紅く染めてたんだよ…。」

その声色にゾッと寒気がする。

霧隠れの里には、かつて血霧の里と呼ばれていた。
そこでは、ある卒業試験が行われた。

その卒業試験は、生徒同士の”殺し合い”。
そして、10年前霧隠れの卒業試験が大変革を遂げざるをえなくなる。
その理由は、まだ忍者の資格も得ていない幼い少年が抵抗なく100人を超える受験者をくらい尽くしたからだそうだ。

「楽しかったなぁ……あれは。」

再不斬の目が変わる。
その少年って、再不斬なんだ……。

また、前と同じ感覚にとらわれる。

ドコッという、鈍い音がしてその方へ視点をむける。
うちはくんは、地面に叩きつけられ血を吐いた。

!!!

驚いている場合じゃない。

今、出来ることをやらないと!!

「ナルト!!!」

「なんだ？A。」

「何か、考えがあるんでしょ？
私は、タズナさんをサクラちゃんと守ってる。
だから、ここは任せて！
頼りにしてるよ……ナルト。」

仲間を信じること。
タズナさんを守ること。

それが今の私に出来ることだ。

「ああ！任せろってばよ!!!」

いっそう、その背中が強く見えた。