【鬼滅の刃】友人の命を救ったらトリップしてた

34話 形見 ページ37

＿Aside

私は家に帰る前に弟と妹とか一緒に
父と母の墓に手を合わせた｡

A｢……よし､帰ろうか｣

妹｢うん！｣

弟｢あっ…ちょっと待って!!｣

A｢ん?忘れ物??｣

弟｢そんな感じかな｣


弟は大急ぎで実家の中に入った｡
家の奥から何かを探しているような音がする｡

しばらくすると弟が何かを抱えて戻って来た


弟｢姉さん!!これ…｣

妹｢あｯすっかり忘れてた｣


弟が持っていたものは二本の刀｡
綺麗な石で出来た片割れの耳飾り､
氷…冬を連想させる髪飾り､
そして羽織りだった｡


この刀は私達に稽古をつけてくれた時に
お父さんとお母さんが使っていた刀だ｡

耳飾りはお父さんが付けていた｡

髪飾りはお母さんが付けていた｡

羽織はいつの日だったか忘れたけど
私が1人前になれたらあげるよって言っていた
羽織だった｡寒色系のグラデーションで
下の方には紫陽花の模様､
上の方には藤の花が刺繍されていた｡


弟｢これ全部A姉さんが帰ってきた時に

渡そうって妹と決めてたんだ｡｣

妹｢お父さんの耳飾りは片方

粉々にされてたけど片方は無事だったの…

髪飾りも傷一つ無いみたいだから

形見として残そうと思ってとっておいたんだ｡｣

弟｢……この羽織はもう

A姉さんの物でいいと思う｡

きっとお父さんもお母さんも認めてくれてるよ｣


お父さん､お母さん…
この羽織､貰っていいのでしょうか
今の私が持っていていい物なのでしょうか｡

私は墓の方を見て､心の中で問う｡

すると何故かは分からないけど
あの大好きだった優しい声｡
お父さんとお母さんの声が聞こえた｡

父｢この羽織はもうAの物だ｡

Aはもう1人前だ､もう認めている｡｣

母｢えぇ､私もとっくの前に認めていたわ｡

大事にしなさいよ?

私はこっちの方でAを応援してるわよ｡

弟と妹､頼むわよ｣

父｢簡単にこっちに来たら許さないからな

頑張れよ｡A達を置いてって済まなかった｣


何故か聞こえたこの声に
涙が溢れてくる｡
止まることを知らないように
ポロポロと零れる｡



A｢…ありがとう｡

大事に使うよ弟､妹……

……そしてお父さん､お母さん｡｣


私は刀を腰に刺し
右耳に耳飾りを付けて
髪飾りも付けた｡

そして1人前の印の羽織を羽織った｡


どんなに強い相手でも怪我なく戦えるように
鍛錬しようと心に決めた｡
そして私の家族､そして仲間を守るんだ｡
絶対に死なせない｡

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