五条先生が呪霊になった話【呪術廻戦】【五条悟】 (ページ24)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:20,641 hit

24．不思議な事② ページ24

A視点:

任務に向かった。

今回、先生は少し眠るとのこと。

「よっぽどのことがあったら起きるよ」とのことだったので、少し不安だが任務へ取り掛かる。

3級くらいの呪霊が数匹だったのでぱぱぱっと祓う。

現場は廃病院だったのだが、一人の男の子がいた。

沢山のベッドが並んだ部屋に片隅に縮こまって震えていた。

『ねえ君？どったのこんな廃墟の中で……っ！！』

近づくととても強い呪力が感じられた。

思わず一歩後ろへ下がる。

『……君、大丈夫？』

「お、お姉さん……誰……？」

『えっと……ごめんね、今は言えないかな

少し用があって来ただけなんだけどね……

君は？何でここにいるの？』

「お、俺……俺………母さんと父さんに………す、すて、捨てられ………ぢゃったの……」

捨て子………てことか。

涙を堪えながら私に説明するこの子は大体5歳、6歳ってとこだろう。

『そっか……君はこれからどうするの？』

「わ、わがんない…………俺どうすればいい……の………かな………」

『まあ……そうだよね

お名前聞いてもいいかな？』

「ゆ、ゆうじ…………」

何故だが聞き覚えのある名前。

『ゆうじ君ね

行くあては無さそうだけど、まあ、私の友達呼んで来るから

少し此処で待っててね……うおっ』

そう言って補助監督さんのとこへ行こうとすると、ゆうじ君に袖をグッと掴まれる。

『どったん？

大丈夫、ちゃんと戻ってくるよ』

「で、でも！此処には怖い奴らいっぱいいるよ！？

危ないよ！！！」

まあ、強力な呪力を感じ取れるから予想はしてたけど、ゆうじ君には呪霊が見えてるのか。

『大丈夫、お姉さんはその怖い奴らを追い払いに来たの

だからもういないよ

いたとしてもお姉さん弱っちく見えると思うけど強いんだから～

守ったげるよ

離れないから、大丈夫だよ』

「……ほんと？」

『うん！

お姉さんあんまり嘘つかないよ～』

「あんまりなんだ……

じゃ、じゃあ俺も一緒に行く！」

『お、いいよ、じゃあほら、おいでお姉さんとこに』

と、両手を広げて抱っこ体勢になると、ゆうじ君は恐る恐る私に抱きついた。

『じゃあ何か怖い奴見たら言ってね』

「う、うん…………ありがとうお姉さん」

『おっ偉い

ちゃんとお礼言えるんね

じゃあ行きましょうか』

5歳、6歳にしては少し重めのゆうじ君を抱っこしながら補助監督さんの車へ向かった。