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．
「だって俺の家普通じゃないじゃん。」
優太が何か
俺に言葉をかけようと口をもごつかせたとき
「普通じゃない永瀬くんのお家って、何してるの？」
「わっ！！マジ ビビったー！！ごめん椅子借りてる」
優太の後ろからいきなり彼女が現れて
優太は驚き立ち上がった。
どうぞ座ってて、と優太を促す彼女と
いやいや、と譲る優太のやり取り
結局推しに負けた彼女は
ありがと。と笑って席に座った。
「で、何してるの？」
「カフェ…やけど」
「…ん？関西弁？？」
はっ、と思わず口を塞ぐ。
彼女は遠慮のない顔で微笑んだ。
優太の場合はどこが関西弁なのかまず気づいてないみたいだったけど。
「いいじゃん、カフェも。関西弁も。」
優しく微笑む彼女の顔には
少しも同情の気色がなく
だから彼女は人気なのかなと思った。
先生が入ってくると
優太は自分の席につき
また、彼女の号令でみんなが動いた。
先生が連絡事項を話してる間
「自宅でやってるの？」
「え？」
また、いきなり彼女は容赦なく
俺へと興味を向けてくる
「まぁ、家の前。」
「ふーん。今度行っていい？」
だめ？という顔で見てくる。
なんだよその顔。
端正な顔立ちは、厄介なほど魅力的だ。
「別にいいけど
なんも面白くないよ」
「カフェに面白さ求めてないし」
やはは、と控えめにしっかりと彼女は笑った。
．
少し寄り道をして
結局優太を駅まで送る
「じゃ、廉ありがとなー！！」
踏切を越えたところで振り返り
優太は大きく手を振った
俺も軽く振り返して
来た道をもどった。
また校門の見えるところまで戻ってきたとき
屋根の下で空を見上げる佐田Aを見つけた
なんだ、友達と帰らなかったのか。
案外背が小さく、隣にいた男子生徒たちと比べると
彼女は余計に華奢に見えた。
そのまま足を進め
校門の見えなくなるところまで来てふと、立ち止まる
雨はザァザァと
強く俺の傘を殴りつける
1人だと、痛いかもしれない。
俺は振り返り
校門の道に戻った
今日、ビニール傘を持ってこなくて良かったな。
変に浮つく顔を隠せるし
妙に早まる鼓動をごまかせる。
そのまま足を進めて
紺色の傘と地面の間に
彼女の茶色いローファーが差し込んだ。
顔を上げると彼女は驚いた目をしていた
「電車通学？」
「えっ？」
「駅まで。傘ないんなら送ってったる、よ…」
らしくない。
らしくなさすぎる。
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霞草(プロフ) - ciels0604さん» コメントありがとうございます！有難いお言葉をいただきます、しっかり胸に留めて毎日を過ごしたいと思います。貴重な時間をこの作品に、ありがとうございました(；＿；) (2019年3月7日 17時) (
レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - ともなさん» コメントありがとうございます！言葉を届ける機会があってこういう形で繋がれて感謝です…ありがとうございます！ (2019年3月7日 17時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
ciels0604(プロフ) - 完結おめでとうございます。これを書いていたのがまだ、高校生だったとは驚きました。子供と大人の間を生きる微妙な時間はもうないです。大人になるに連れて見なければいけない現実があります。同じ時間は二度と戻って来ないので今を大切に生きてください (2019年3月6日 1時) (レス) id: 4086de47ce (このIDを非表示/違反報告)
ともな(プロフ) - 更新お疲れ様でした。ほんとに素敵なお話でした。最後のページの霞草さんの言葉が今の私には強く心に刺さりました。涙が止まりませんでした。素敵なお話と言葉を届けてくださってありがとうございました。また作品楽しみにしています！ (2019年3月5日 22時) (レス) id: 65acdc1e61 (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - こんばんはさん» コメントありがとうございます！少しでも恩返しが出来たらとおもいます、これからを頑張ります！ (2019年3月5日 16時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞草
| 作成日時：2019年2月25日 6時
