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二学期が始まると
あっという間にみんなの顔は
受験モードに入っていった。


部活は引退して 放課後の教室は
賑わいを一切残さず
ページをめくる音、シャープペンシルを走らせる音
みんながみんな 闘う音が響く



結局 優太は夏の間に
専門学校へ進むことを決めたらしく
学校が終わると真っ先に教室を飛び出して
学費稼ぎのためのバイトへ向かう


俺は 今をただひたすら消費するように
みんなの横顔 背中を眺めながら
真似るようにページをめくり、文字を書く




Xがなんだとか、
yがなんだとか、
そんなのを求めてると
すぐに今日は終わってしまう





「廉も残ってたんだ」

靴箱でばったり紫耀と出くわした。
紫耀は前より 顔色がよかった。


靴をはきかえて
紫耀と途中まで帰る



「廉は、大学どうすんの?」


紫耀は遠慮気味に でも強引に
俺のことを聞き出した


「私立に行くよ、普通に」

「じゃあ一般の2月まで残るの?」

「まぁ、そうなるかな」

「そうか。お互い頑張ろうな」




紫耀は笑った。
久しぶりに紫耀の笑顔を見て
俺は少し焦った

自分は意味のあることをしてるんだろうか
別に大して行きたくもない大学を受験して
1度きりとかいう人生を
楽しむためより 消費するためのように過ごして

俺の ためになるんだろうか。





紫耀と別れて家までの道
秋風が吹くと 気持ちまで震える


もう10月になる
少ししたら11月になって
あっという間に今年が終わる

そうなったら受験まで1ヶ月とかしか残ってなくて
俺はまた 道に迷うかもしれない

本当に、正しく 後悔のない道なんて
この世には存在しないと思い込まない限り
この人生は上手くいかない。


だからといって 自分の命を絶つことは
逃げとされるし、実際、そうだと俺も思う。


バランスなんて取れない

欲望と絶望がごちゃまぜの世界に
必死で生きてる人達は
多分、極端なんだと思う

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霞草(プロフ) - ciels0604さん» コメントありがとうございます!有難いお言葉をいただきます、しっかり胸に留めて毎日を過ごしたいと思います。貴重な時間をこの作品に、ありがとうございました(;_;) (2019年3月7日 17時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - ともなさん» コメントありがとうございます!言葉を届ける機会があってこういう形で繋がれて感謝です…ありがとうございます! (2019年3月7日 17時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
ciels0604(プロフ) - 完結おめでとうございます。これを書いていたのがまだ、高校生だったとは驚きました。子供と大人の間を生きる微妙な時間はもうないです。大人になるに連れて見なければいけない現実があります。同じ時間は二度と戻って来ないので今を大切に生きてください (2019年3月6日 1時) (レス) id: 4086de47ce (このIDを非表示/違反報告)
ともな(プロフ) - 更新お疲れ様でした。ほんとに素敵なお話でした。最後のページの霞草さんの言葉が今の私には強く心に刺さりました。涙が止まりませんでした。素敵なお話と言葉を届けてくださってありがとうございました。また作品楽しみにしています! (2019年3月5日 22時) (レス) id: 65acdc1e61 (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - こんばんはさん» コメントありがとうございます!少しでも恩返しが出来たらとおもいます、これからを頑張ります! (2019年3月5日 16時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霞草 | 作成日時:2019年2月25日 6時

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