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「紫耀はどう思う?
空飛びたい?それより人間の方がいい?」

「は、何言ってんの」


ケラケラと笑う。
紫耀は少しも そのようなことを考えることは無いんだろうか


「空が飛べたら
逆に困る人もいるんじゃない?」



…もっと変なやつがいた。
紫耀…お前だけは常識人だと思ってたのに。

優太は目をきらきらとさせ
どういう意味?と尋ねる


「だって海に溺れて死ぬより
飛び降りて死ぬ方が意識なくいけるって、言うじゃん」

「なんか…怖くね?」

「怖くないよ。現実の話。」



紫耀はそう言って
俺らの前を歩いていった。



遠くの知らない学校の屋上や
近くだけど立ち寄ったことないビルの上
名前まで覚えていない 駅のホーム

俺らと同い年くらいの人達や
俺よりも年上、年下のいろんな人間が
悩みに悩んで 飛び降りるなんてことも

それを現実と見なせばそりゃあ、あるだろう。





「まぁ…程遠い話だよな。」

優太は俯いて言った。
俺も一応、頷いた。




「…そんなことよりさ!せっかくテスト終わったんだし
今日は廉のカフェ寄ってくか!」

「えー、それ俺にとって日常なんやけど」



思わず出る関西弁に
やっぱり優太は気づかない

いや、
気にも止めてない…?



「なぁ優太
俺って話し方変?」

「廉が?どの辺が?ごめん、全然わかんねぇ」




髪をくしゃくしゃと搔いて
ヘラっと笑った。


そう言えば

変とか言われたの
中学の頃だったな




もう俺は高校生なんだ。




「それより俺さ、靴下違うやつ履いてるわ」

「え?」


優太の靴下を見ると
右足は白のラインが2本
左足は1本だった。



「馬鹿じゃねぇの」


はは!と楽しそうな優太に
ツッコミを入れる。


夏のはじまりの太陽が
ギラリと俺らを照りつけて

空までも高く高くのぼっていった。

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霞草(プロフ) - ciels0604さん» コメントありがとうございます!有難いお言葉をいただきます、しっかり胸に留めて毎日を過ごしたいと思います。貴重な時間をこの作品に、ありがとうございました(;_;) (2019年3月7日 17時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - ともなさん» コメントありがとうございます!言葉を届ける機会があってこういう形で繋がれて感謝です…ありがとうございます! (2019年3月7日 17時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)
ciels0604(プロフ) - 完結おめでとうございます。これを書いていたのがまだ、高校生だったとは驚きました。子供と大人の間を生きる微妙な時間はもうないです。大人になるに連れて見なければいけない現実があります。同じ時間は二度と戻って来ないので今を大切に生きてください (2019年3月6日 1時) (レス) id: 4086de47ce (このIDを非表示/違反報告)
ともな(プロフ) - 更新お疲れ様でした。ほんとに素敵なお話でした。最後のページの霞草さんの言葉が今の私には強く心に刺さりました。涙が止まりませんでした。素敵なお話と言葉を届けてくださってありがとうございました。また作品楽しみにしています! (2019年3月5日 22時) (レス) id: 65acdc1e61 (このIDを非表示/違反報告)
霞草(プロフ) - こんばんはさん» コメントありがとうございます!少しでも恩返しが出来たらとおもいます、これからを頑張ります! (2019年3月5日 16時) (レス) id: 402b5f83f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霞草 | 作成日時:2019年2月25日 6時

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